第三十四話 ディメンション・タイド
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ーのことを素で忘れていた。
「あの子のことどーするかな…。殺すわけにはいかないし、かと言って…。」
ツムグは、自分の目的を思い出す。
「とりあえず、様子見だな。」
ツムグは、そう結論付けてニヤリと笑った。
ツムグは、自らが死ぬという目的のために黙っておくことにした。
そして地球防衛軍管轄にある病院から、アスカ・ラングレーが拉致された。
***
マヤの悲鳴が木霊した。
ネルフの職員が駆けつけた時。
そこにあったのは、何かに食い荒らされ、骨に肉が辛うじて残っているエヴァンゲリオン零号機の残骸だった。
駆けつけたリツコは、マヤを慰めながら零号機を見る。
MAGIの目を掻い潜って何かが零号機を喰らったのは間違いないが、リツコには心当たりがない。
ネルフは、無駄に広い。なのでまだ犯人が潜んでいる可能性は十分ある。
リツコはすぐに地球防衛軍にこのことを伝えた。
地球防衛軍からの回答は、エヴァンゲリオン初号機から復元された何かが脱走したことと、小さな集落がソレの犯行で全滅しているため現在捜索中だということだった。
初号機と聞いて、間違いなくソレが犯人だとリツコは感じた。
そしてハッとする。零号機以外のエヴァンゲリオンが無事であるかと、そして地下深くにあるリリスはと。
すぐに確認する。
リリスは、無事だ。
弐号機も無事だった。
リツコは、すぐに地球防衛軍に初号機がネルフ内部に潜んでいる可能性を報告し、残るエヴァンゲリオン弐号機を喰われないように外へ出すことを提案。またリリスの保護を依頼した(リリスは地下に磔にされているので出せない)。
地球防衛軍は、ネルフ内部の職員の避難勧告を出し、初号機の捜索隊がネルフに向かった。
ディメンション・タイドをネルフに使用する計画についても練られ、リツコにそのことを伝え、実施されればMAGIが失われることを伝えた。
「背に腹は代えられないわね。」
リツコは、溜息を吐きつつ了承した。
そしてひっそりと、MAGIにある母親の人格に別れを告げた。
「まさか“彼女”が…?」
「それはないと思いますわ。」
冬月の呟きにリツコがきっぱりと言った。
「はっきりと言うね。」
「コアを潰された時点で碇ユイは間違いなく死にました。恐らく今いる初号機(?)は、まったく違う生命体でしょう。」
「…それは間違いないのかね?」
「変な希望は持たないことです。」
「…それもそうだが…、中々捨てられんよ。」
碇ユイに対する想いはそう簡単には捨てきれるものではない。ゲンドウほどではないにしろ。
「君は、もうゲンドウには未練はないのかね?」
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