第三十四話 ディメンション・タイド
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いたとか。若干涙目で。
「いーよなー、あんなカワイイ彼女いて。」
「なんで俺らって女と縁がないんだろ?」
「知るかよそんなこと。」
「あー、羨ましい。」
「……聞こえてるんだけどな…。」
「どうしたの碇君?」
「なんでもない。」
周りから聞こえてくる羨む声に、シンジは、若干赤面しつつレイになんでもないと首を振った。
よくよく考えたらかなりの勢いでいった告白劇だったなっと、シンジは、ふり返る。
レイが人間じゃないと分かった後の勢いで自分がレイが好きだと告白した後、それほど時間をおかずレイからOKをもらった。
人間であろうとなかろうと、彼女が好きだった。その気持ちを伝えようとしたらつい出てきてしまったのが告白の言葉だった。
その気恥ずかしさで一見素っ気なく立ち去ってしまったのである。勢いって怖い。
そんな裏話があるのだが恥かしくてとてもじゃないが人には言えないとシンジは、墓までもっていこうと決意した。……ツムグにだけ筒抜けなのだが、絶対(※念押し)に内緒である。
「シンジ君、レイちゃん、炊き出しの時間だ、手伝ってくれるかい。」
「あ、はい。分かりました。」
「はい。」
二人を呼びに来た職員についていく二人。
基地の復旧で毎日働いている作業員達や地球防衛軍の隊員達や職員達に食事を提供しなければならない。
とにかく人が足りないので手が空いている文系職員もかり出されるほどだ。
「今日の昼飯はなんだい?」
「牛とじ丼です。」
「やり! 牛肉だ! やっほう!」
プラスチックの器に盛られた牛とじ丼(牛丼の卵とじ版)を配っていく。
ヘトヘトに働いている作業員達は、すぐさまがっつく。
「はあ…、終わった。」
終わったのは昼過ぎ。約3時ぐらい。最近はだいたいこんな感じだ。
「お疲れー。お昼ご飯、どうぞー。」
「ありがとうございます。」
「はい、レイちゃんは、肉なしね。」
「はい。」
レイだけ牛肉を除いた卵とタマネギだけの丼を受け取る。
二人並んで座り、遅い昼食をとる。
「美味しいね。」
「美味しい。」
疲れた体に甘辛い味付けが染み渡る。
「…おかわり欲しい。」
「残ってたらいいね。」
おかわりを取りに行くレイを、シンジが見送った。
しばらくして戻ってきたレイは、おかわりの丼をかっこむ。細身の体からは想像もできない食欲である。これも全部M機関の食堂の職員達とシンジの頑張りの成果である。ところでレイは、肉を嫌っているのだが、状況が状況なので好き嫌いなく食べれるよう前々から特訓はしていた。なので最近では食べようと思えば食べれなくはない程度にまでは何とかなっている。現に牛とじ丼の肉がち
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