第三十四話 ディメンション・タイド
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いのがネックなのだが、これ以上厄介なツムグその2、その3とかが増えたら大混乱になりかねない。下手すると最悪の敵が出来上がってしまうかもしれないのでツムグのクローン計画については、そういう理由もあって挫折した。
「ハー、ハー…。」
「落ち着いたか?」
「ええ、なんとか…。少しすっきりしたわ。」
「そうか。」
「それにしても、あいつ絶対知ってたわよ。」
「またツムグのことか?」
「そうよ。こうなること分かってて放っておいたんじゃないかしら?」
「まさか……、いやあり得るか。」
ツムグが何かを企んでいるのは間違いない。だがその目的のために初号機を野放しにしたのだ。恐らく脱走することも計算の内だろう。
「……愚痴ってもツムグは口を割るわけないし、目の前のことを片付けることが先決ね。ごめんね、話に付き合ってもらっちゃって。」
「俺でよければいつでも。」
苦笑いを浮かべる音無に、尾崎は笑って答えた。
***
初号機が原因で起こったと思われる小さな集落の壊滅事件を受け、責任問題を問われた科学部は、初号機の捜索と同時に、初号機の抹殺を掲げた。
エヴァンゲリオンが使徒のコピーであることは、赤木リツコからの情報開示により判明しており、また村神の発案による使徒マトリエルのコアのコピーと、フランケンシュタインの血液の使用による変異が考えられたため完全な抹殺の意見が多数を占めた。
そこで挙げられたのが、ディメンション・タイド(ブラックホール砲)の使用である。
使徒の脅威は、これまでの戦いで分かっているので使徒のコピーにどんな能力が備わっているか分からない以上、多少の犠牲は覚悟で完全消滅が妥当だとしたのだ。
ディメンション・タイドは、過去にゴジラを抹殺するために開発された兵器だが、実験の過程で時空に亀裂が入り、そこからメガギラスが出てきてしまったという曰く付きの代物でもあった。
また同じことが起きないという保証はどこにもない、だが完全に、細胞ひとつ残さず消し去るにはもっとも適切な兵器だという意見とで割れた。
ディメンション・タイドの使用に際し、もしも初号機が使徒イロウルのように群体化していた場合に備える必要性があるという意見も上がった。
あとフランケンシュタインの再生能力が備わっている可能性もあるため、やはり完全消滅の方向でという流れになりつつあった。
「ディメンション・タイドを使えば、椎堂ツムグを殺せそうなんですけどね…。」
会議が終わった後、そんなことを呟く若い科学者がいた。
「そんなこととっくの昔にやっているぞ。」
ディメンション・タイド使用後、半日で帰ってきた。無傷で。っというのが、ツムグにディメンション・タイドを使った
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