第三十三話 死の預言
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ら息を吐いたソレは、まだ物足りないと口にする。
『足りないよ、お兄ちゃん…。足りないよォ。』
「う、うわあああ! なんだこれは!?」
『あ、いいところに…。』
たまたま通りかかった人間を見つけ、ソレは、目にも留まらぬ速さで飛び掛かった。
その人間が暴れるのを無視して、喰らいつき、悲鳴も無視して貪る。
『!!』
半分食し終えたところで、変化が起こった。
未完成な胎児のような体が一回り大きくなったのである。
『あは、あはははははははははははははははははははははははははは。』
ソレは、笑う。
『もっともっと食べれば大きくなれるぅ! そしたらそしたら…。全部、変えられる。変えちゃえるよ、お兄ちゃん! ああ、でも人間不味いからもう食べたくないなぁ…。じゃあ、何食べたらいいんだろう…。あ……。』
ソレは、思いつく。
『食べる物あるじゃない…。』
ソレは、先ほど襲った人間の半分を残したまま移動を開始した。
『第三新東京に行けば、あるじゃない。』
もう誰も乗り手のいない、神の模造品と、魂を失った白い巨人が。
『おいしいかな? 美味しいかな? あはははははははははははははははははははははははははは。』
その言葉と笑い声を聞く者はいない。
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