第三十三話 死の預言
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のことだ。バラバラにされたあげく、とどめに焼かれて炭になったはずだ。
村神は、その残骸から採取された微量の細胞を増やすために試行錯誤していたらしい。
ツムグの細胞を使ったレイを人間にする実験の派生として死滅しかけた細胞の活性化のために、ツムグの細胞を利用したようだが増やすには至らなかったらしい。
そこでツムグの細胞との橋渡しのため、地球防衛軍に保存されていた改造巨人フランケンシュタインの血液を、無断(!)で拝借し、初号機の細胞に使ったのだ。
その結果、ツムグの細胞による活性化が円滑になり、初号機の細胞は増えるようなったのだ。
その後、それほど時を置かずして膜につつまれた胎児のような形態に変化し、眼球が生じして村神を認識しているような動きを見せるなど確かな意思を宿していたと記されている。
なんとか解剖したいところだが、ATフィールドと思われるエネルギーで弾かれてしまうため失敗。
その物体をもっと調べねばというところで記録は終わっている。
「あの部署、前々からヤバいって聞いてたけど、まさかこんなことしてたなんて…。村神は初号機を蘇生させたというの!? じゃあ、初号機は今どこにいるのよ!」
「逃げられてたか…。村神さんのことだからこの騒ぎでバレないように初号機を隠そうとして逆に食べられちゃったって感じかな。」
「初号機の居場所は把握できないの?」
「……ごめん。」
「あ〜〜〜、もうこんな時に使えないわね!」
音無はガシガシと頭をかきむしった。
「あんた隠してたの!? このことを!」
「隠してたわけじゃないけど、聞かれなかったからね。」
「あーもうああ言えばこう言う! ともかく脱走した初号機を探し出さないと。基地の中で見つかればいいんだけれどね…。」
「見つからないよ。」
「…せめて嘘ついてよ……。」
「労働力が分散するし、無駄な労力だから面倒でしょ?」
「あんたってやつはーーー!!」
音無の怒鳴り声が木霊した。
ツムグの証言により、基地にはすでに初号機はいないと分かり、初号機捜索のため周辺に捜索隊が行くことになった。
研究部の研究の産物が外に出てしまったとなっては一大事。
バイオハザードや新たな怪獣の誕生に繋がる可能性があるということで、すぐに受理された。
***
ガリゴリガリゴリと、クチャクチャクチャクチャという不快な音が鳴る。
『もう少し…、もう少し……。』
不快なその音の中に、幼い男の子のような声が混じる。
ソレの周りには、赤黒い血がまき散らされており、肉片と、辛うじて形のある人間の、部位が散乱している。
『美味しくない…。でも…たりない…、足りない…。』
ゲプッと口か
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