第三十三話 死の預言
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んじゃった。ここから先の世界がどうなるか、さっぱり。グチャグチャだ。」
「奴で最後だったのか?」
「一応ね。あと残ってるのなんて、リリスぐらいでしょ?」
「アダムは、どうした?」
「大人しくしててくれてるよ。」
「…やっぱてめーの中か。」
「あっ、ばれた?」
テヘッと笑うツムグに、ゴードンは、溜息を吐いた。
「隠すつったら、そこ以外に考えられねーよ。」
「S2機関は魅力的だからね。まだ欲しがってる人は多い。そもそもセカンドインパクトだってS2機関を手に入れようとしてなったことだし。」
「それが元凶か。それで世界が一回滅びかけちゃせわねーよ。」
「リリスは結局どうするの? 使徒はもうこないし。あれにも一応S2機関あるよ。」
「波川の奴に言え。」
「分かってる。エヴァンゲリオンだって残ってるし…、っ。」
「どーした? なにが視えた?」
「まだたくさん人が死にそうだ。」
「それはいつ頃だ?」
「遠からず、近からずかな。」
「はっきりさせろ。」
「はっきりさせても回避はできないよ?」
「厄介なものだな、預言ってのは。便利なだけに。」
「特に死についてはね。」
ツムグは、ヘラッと笑った。
「ところでおまえ、何か隠してるんじゃないのか?」
「なにを?」
「何が目的だ?」
「……。」
「てめーの事情なんざどーでもいい。だがな周りに迷惑をかけてまですることか。」
「迷惑を掛けなきゃならいなほどのことなんだよ。俺にとっては。」
ツムグは、笑みを消してそう吐き捨てるように言った。
「そーでもしなきゃ俺は……。」
ツムグは、言いかけてやめた。
「自分の意思でも、そうじゃなくても死ねる奴ら全部が羨ましいよ。」
「それが答えか。」
「そうだよ。悪いけど、そのためなら何でもしようと思ってるからね。」
「ならこっちは抗うまでだ。」
「それでこそ意思を持つ者の強さだよ。」
「この野郎…。」
「俺は所詮はバケモノだからさ。」
ツムグは笑う。
ゴードンは、その横顔を見て、何も言わなかった。
死ぬことができぬ者の気持ちなど、その者にしか分からぬことだからだ。
***
患者を収容した訓練場のテントでは。
「尾崎……。なぜ、殺さなかった?」
体のあちこちに包帯を巻かれて寝かされている風間が弱い声で言った。
「…仲間だからだ。」
尾崎はそう答えた。
「他の連中は…?」
「……すまない。」
助けられた者もいたが、助けられなかった者もいる。尾崎は悲痛な思いでそう答えた。
「あのガキはどうした…?」
「…死んだ。自分で死んだんだ。」
「…そう
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