第三十二話 第18使徒リリン
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!!」
ツムグは血を吐きそうなほど叫ぶ。
「それでも、俺は! それでも、俺は!」
機龍フィアの腹部が開閉し、絶対零度砲が発射された。
海面が凍り付き、ゴジラの足を凍らせた。
「ゴジラさんのために…!」
ゴジラの顔を殴りつける。
ゴジラも機龍フィアを殴った。
「ゴジラさんのために、ゴジラさんのためにゴジラさんのためにゴジラさんのためにゴジラさんのためにゴジラさんのためにゴジラさんのために!」
ツムグが狂ったように叫び続ける。
「−−−、にたい。」
機龍フィアが、ググッと首を後ろにそらせて、強烈な頭突きをゴジラにお見舞いした。
機龍フィアの片目のレンズが壊れる。
ゴジラは、足元の氷を強引に破壊し、機龍フィアにタックルをかまそうとした。
その瞬間、機龍フィアが回転し、機龍フィアの尻尾がゴジラのわき腹に決まってゴジラが吹っ飛ばされた。
「あぁぁあああ、いっそ全部壊しちゃおうか!」
『ツムグー!』
「綺麗、さっぱりと…、っ!!」
次の瞬間、ツムグが被っているヘルメットに強力な電流が流れた。
『ツムグのバカ! そんなことしたらダメなのに!』
ふぃあが電流を流したのだ。
もしもツムグが狂い始めた時のための保険であった。
なお、普通の人間なら頭が爆ぜるほどの電流だ。
「っっ…、イタ〜、頭にズーンときた。」
ツムグはヘルメットの上から頭を摩った。
「でも目が覚めたよ。ありがとう、ふぃあ。」
『やったー! ツムグ治った、治った!?』
狂気の失せた笑みを浮かべたツムグは、ふぃあにお礼を言った。ふぃあは喜んだ。
眼前にいるゴジラがグルルッと唸る。
ゴジラは、気がかりだった。
宿敵たる地球防衛軍に、奇妙な微かな気配があることに。
最初は、使徒の気配が二つあった。だがその内ひとつは消えた。その後もうひとつは、自分が噛み砕いた。
二つの気配が消えたと思ったら、何か微かな気配を感じ取った。それが使徒なのか何なのかははっきりしない。だが、気に障る気配であることは間違いない。
その気配が徐々に遠ざかっていくのを感じる。
どこかへ逃げようとしているのかもしれない。追わなければと思うが目の前にいる機龍フィアと轟天号が邪魔だ。
「ゴジラさん…、悪いんだけど。それは阻止させてもらうよ。」
ツムグは、そう言うと操縦桿を握り直した。
ゴジラとの戦いは長く続き、やがてゴジラが諦めて海へと帰還した時には月が空に浮かんでいた。
***
「よお、生きてたか?」
「なんとか。」
ゴードンは、破壊された司令室にいる波川を訪ねていた。
波川の頭には包帯が巻かれて
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