第三十二話 第18使徒リリン
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イが目を覚ました。
シンジは、レイを抱えた状態で尻餅をつき、放心していたため気付くのが遅れた。
「碇君…?」
「あ……、綾波?」
「私………、人間になれた。」
レイは、涙を浮かべ、シンジの首に腕を回して抱き付いた。
カヲルは、それを横目で見て、驚いた。
「彼女は、人間になれたのか…。」
そう言って苦笑した。
もうレイは、自分とは同じじゃなくなった。その寂しさゆえに。
するとそこへ。
ゴジラの雄叫びが聞こえて来た。
基地の破壊で警報音が鳴らなかったのだ。
「カヲル君?」
「ありがとう。ごめんなさい。」
「カヲル君!?」
カヲルが何かよくない行動を起こそうとしているのを察知した尾崎が動こうとした時、カヲルに向けて銃弾が飛んできた。
その銃弾はカヲルの顔の斜め右辺りでATフィールドに阻まれて防がれた。
「貴様…! 何をしようとしている!」
男の声が響いた。
声のした方を見ると、銀髪の男が立っており、その手に大型の銃を握っていた。
しかしその顔は…。
「…! おい、どういうことだ?」
ゴードンが真っ先に気が付きカヲルと銀髪の男を交互に見た。
「来てたんだ。」
「何をしようとしているんだと聞いている! 答えろ、渚カヲル!」
「“ヲルカ”さんの想像通りのことだよ。」
ヲルカと呼ばれた男の顔は、カヲルを40代後半ぐらいにした感じの顔立ちをしていた。目の色も肌の色素も同じである。
「な…、貴様はゼーレの命を受け、地球防衛軍なる輩どもを抹殺し、リリスの魂を持つ者を確保することが役目だったはずではないか!」
「道は…、彼らに譲ることにしました。」
「勝手なことを…! リリスの道標は人類補完の要なのだぞ!」
「なんだって!?」
人類補完と聞いて尾崎が反応した。
「リリスは、もういない。」
「なっ……。そこにいるではないか!」
ヲルカは、レイを指さして叫ぶ。
「彼女は人間になった。リリスの魂は失われたんだ。どこに行ったんだろうなぁ?」
カヲルは、どこか嬉しそうに言う。
「ならばおまえが…アダムの魂を持つおまえが道標にならねばならない! 早急にアダムを探せ! 死ぬことは許されぬのだ! なのに貴様は…。」
「“僕ら”は彼らに道を譲る。」
それを聞いたヲルカは、血が出るほど歯を食いしばり、憤怒の表情を浮かべる。
「渚カヲル…! この! 裏切り者め!!」
ざわりとヲルカの髪の毛が揺れる。
ヲルカは、銃を構え、銃弾を連続で放った。
その銃弾は、カヲルの前に張られたATフィールドで防がれる。
「僕には勝てないよ。」
「だまれぇぇぇぇ!」
「人
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