第三十一話 TABRIS
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。戦うのは俺じゃない。」
「ならどうしてシンジ君達をなんとかするって言ったんですか? 二人を守るためには僕と戦うしかないのに。」
「二人を守る行動はするよ。それ以上はしない。」
ツムグは、スタスタとシンジらとカヲルの間に入った。
「あとは、尾崎が覚悟してくれるかどうかなんだ。」
「だから尾崎さんは…。」
「そういうのは、実際に目にしてから言うんだね。タブリス君。」
「その名前は、君達が勝手につけた名前だ。もちろん、渚カヲルもね。」
「そりゃそうだ。だって君は……。レイちゃんと同じなんだからな。」
「そこまで知っているんだ? だったらなぜ僕が彼女を連れて行かなければならないか、それも知っているのかな?」
「あのおじいちゃん達の差し金でしょ?」
「本当にすべてを知っているんですね。あなたは。」
カヲルは、笑うがその目は笑っていない。
「なんと言おうと、あなたには戦ってもらいます。」
「戦わないよ。」
ツムグがきっぱりとまたそう言うと、まるでそれを否定するようにカヲルは、ツムグに向けて手をかざした。
***
場所を変え、尾崎は風間と交戦していた。
模擬戦闘とは違う、本気の殺し合い。
今までに体験したことのない本気の戦い。
ましてや相手は見知った仲間。友。
カヲルが正体を現した時に、ちょうど集まっていたため、ほとんどの仲間が操られてしまった。操られた他の仲間達は、熊坂が引きつけた。
あの人数を相手に熊坂が無事であるという保証はない。早くなんとかしなければみんな倒れてしまう。
「お…ざ…キ!」
「風間!」
風間からの猛攻をさばいていく。
風間が腰に差している拳銃を取り、至近距離で撃とうとしたため、尾崎も同時に銃を抜き撃った。
真近距離で発砲された弾丸は、宙で当たり弾けた。
尾崎が風間の腕を蹴り、銃口を上へあげると、風間はしゃがんで足払いをかけてきた。
足を払われてバランスを崩すもすぐに手を着いて宙返りをして距離を取った尾崎は、再び発砲した。
それをギリギリで顔を横にずらして避ける風間。
風間も発砲する。尾崎もギリギリで顔を横にずらして避けた。
銃弾を使い果たした二人は、同時に銃を捨て、突撃した。
風間の拳を掴み、捩じり伏せようとすると、風間は地面に手を着いて反転し、柔軟性を生かした蹴りを尾崎の頭部に当てようとした。
咄嗟にその蹴りを防ぐために風間から手を離した尾崎の隙をついて、風間は尾崎の背後に周り首に腕を回して絞めた。
尾崎は息苦しさに耐え、ひじ打ちを何度も風間の胴体に喰らわせて逃れた。
そこから殴る、蹴るの打ち合い。
膠着した戦いの中、尾崎
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