第二十九話 椎堂ツムグの決意 その2
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すぐったいからヤダ。』
「そう言わずに!」
「そこをなんとか!」
「データを取らせてくれ! 頼む!」
『ウ〜ン。』
必死に頼み込んでくる人間達に、考え込むように唸るふぃあ。
「なんで俺らが作ったもんにこんなに頭下げにゃならんのだ…。」
「シッ!」
必死に頭を下げている者達の中で、そんなことを呟いて口を塞がれる者もいた。
『……分かった。イイヨー。』
「いよっしゃああああ! ありがとう、ふぃあ!」
「では、早速少尉達を呼びましょう!」
『オザキと、カザマ? あの二人ならイイヨー。』
ふぃあの許可が下りたことで、模擬戦闘による実験が始まることになった。
「……。」
「……。」
呼ばれて来た二人が来てから、現場はかなり居心地悪い空気に包まれた。
原因は、風間である。風間が発する不機嫌オーラが場の空気を悪くしていた。
尾崎はオロオロと風間をチラ見している。
「まずは、風間少尉からです。」
「了解。」
風間は、淡々と返事をすると、機龍フィアに搭乗した。
『よろしくね、カザマ!』
「……ああ。」
風間の不機嫌オーラなど気にせずふぃあが明るく話しかけてきたので、風間は短く返答した。
機龍フィアの前方に、模擬戦の相手が着いた。
モゲラである。
『MOGERAマーク5。戦闘態勢に入ります。』
『風間少尉。スタンバイ。』
「了解。ふぃあ。」
『イイヨー。』
ふぃあの協力のもとのシンクロ率が叩き出される。
『嘘だろ!』
モニターしていた人間が思わず叫ぶほどだった。
活性率、112パーセント。
『機龍フィア、基準活性率達成! 起動します!』
機龍フィアの目に光が灯り、前方にいるモゲラを見据えた。
風間は、接続している部分から脳に流れてくる感触のようなものの不快感に、汗をかいた。
「これが…、本当のシンクロか…。」
初めて到達した基準値のシンクロ率によるDNAコンピュータの活性化に、自然と体に力が入る。
ツムグは、常にこの状態をキープしているのだ。
慣れない感触に慣れようと、風間は深く息を吸って吐いた。
『模擬戦闘を開始してください。』
「行くぞ。」
風間は操縦桿を握り、そして操作した。
ところが。
「がっ!?」
いきなり大転倒。
ジェットを吹かせて突撃しようとしたら、バランスを崩して前に思いっきり倒れてしまったのだ。
「なんだこのパワーは!?」
3割弱のシンクロで行った時の動作とは比較にならない動きに、風間は驚愕した。
『風間少尉! 立ち上がり動作を行ったください!』
「今やってる! クソ!」
立ち
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