第二十九話 椎堂ツムグの決意 その2
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だと断言したカヲルは、信じるということから来る力の柱を失ったらその力はどうなののかと考える。
尾崎と共に行動してみて、シンジ以外の人間もミュータントも尾崎を信じているようであった。
それが群れを成して生きるリリンの力なのかどうかはさておき、尾崎の周りには良くも悪くも人が集まる。中にはわざと避けている者(風間)もいたが。
「老人達が警戒していた。」
ゼーレの者達が尾崎を酷く警戒していたが、ゼーレが考えるようなことを尾崎がしているようにはまったく思えなかった。
むしろ真に警戒すべきなのは……。
「椎堂ツムグ…。」
地球防衛軍の中でミュータントを超える異端がいる。
それが椎堂ツムグだ。
地球防衛軍の人間達は、彼のことをG細胞完全適応者とも呼んでいた。
地球防衛軍にゼーレの情報を流したのは、本当は彼なのではないかと考える。
ゼーレは、まるで関心をもっていなかったが、彼らの真の敵は椎堂ツムグなのではないか。カイザーと呼ばれる尾崎を狙うのは見当違いということになる。
「一度会ってみないといけないな。」
カヲルは、そう呟いて微笑んだ。
***
「やっぱり、こっちに関心を向けてくるか…。」
ツムグは、自室のベットでそう呟いた。
「やっぱ分析力が高いな〜。さすが最後の使者君。でも…、君の相手は俺じゃない。」
ツムグは、ベットの上から床に降りると、部屋から音もなく消えた。
『また消えやがったぞ。』
『遅くならなきゃなんでもいいさ。』
ツムグに逃げられるのはいつものことだし、帰って来るのもいつものことなので付き合い長い監視役達はすっかりこんな感じである。
ツムグは、歩いていた。
そしてふいに立ち止まる。
後ろを振り返ると、そこには誰もいないが、気配はある。普通の人間には分からない得体のしれない者の気配だ。
それからまた前を向いて歩きだす。すると後ろにいる気配も動く。
ツムグは、地を蹴り、飛んだ。
そして辿り着くのは、第三新東京。
かつて街並みがあった場所は、破壊され尽くして見る影もない。
空を見上げる。
空は快晴。眩しすぎる太陽の光に目を細める。
ツムグは、後ろについてきている気配の存在が同じく到着したのを感知しながら、第三新東京の地下……つまりネルフの方へ移動した。
機能のほとんどを停止しているネルフの内部を悠々と歩き、背後について来る気配と共に地下を目指す。
やがてターミナルドグマにあるリリスのところへ辿り着く。
「いったい何を考えているんだい?」
ツムグを追跡していた者が、ついに口を開いた。
その声には、わけが分から
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