第二十七話 渚カヲル
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干渉を攻撃手段とする宇宙空間を飛行する使徒を撃破するには仕方がなかった、そしてこれ以上の犠牲者を出すわけにはいかなかったのだという反論の意見が飛び、非難の声を上げた者達はぐぬぬっと黙るしかなかった。
しかしここで疑問の声があがる。
なぜ、椎堂ツムグは、ロンギヌスの槍の存在を知っていたのか。ということだ。
もっと早くロンギヌスの槍の存在を明かしていれば、これまでの使徒との戦いも変わっていたはずだということだ。
「邪魔だったんだよ。」
あっさりとツムグは、そう答えた。
「ロンギヌスの槍は、誰が用意したのかは分かんないけど、元々はアダムとリリスの活動を止めるための保安措置だよ。それ自体が一種の自律稼働する生命体。なんか強い意思に反応するみたいだから尾崎の意思にも反応した。そもそもロンギヌスの槍は、使徒を殺すための武器ではないんだよ。ATフィールドを無効化するって効果はあるけどそれが元々の使い道じゃないし。だいたいアレがセカンドインパクトを起こした元凶でもあるんだし…、多用するのは……。だから手っ取り早く安全に、かつ地上から処分するには、あそこで(※使徒アラエルに投擲)使っちゃおうってことで。」
そもそも南極にいたアダムに干渉するために、ロンギヌスの槍を使ったことがセカンドインパクトの事の発端らしい。
そして目覚めたアダムを抑えるために更にロンギヌスの槍を使った結果、アダムは卵に還元されたものの、地球は酷い有様になったというわけだ。
要約すると、ロンギヌスの槍自体がセカンドインパクトに続くサードインパクトの引き金の一つであるということが問題なのだ。
もし早々に存在が露見して使徒迎撃のために利用され続けていたら……。もしかしたら……。
最悪の結末を想像した者達は、よくやったツムグ!っと、グッと親指立てたという。逆に最悪の結末を想像できなかった者達は不満を隠しきれない様子ではあった。
「えっ? それだったら尾崎にやらせたのはなぜかって? あの時点であの使徒の精神干渉に耐性があったのって尾崎ちゃんだけじゃん。他の人達は“まだ”だったしね。えっ? どういう意味かって? それはそのうち分かるよ。」
精神干渉の波長に対する、尾崎の耐性の理由について語られることはなかった。
***
「…−−−であるから。」
「……。」
一方、レイは、完全な人間になるための実験についての説明を受けていた。
椅子に座る彼女の周りには何人もの科学者や医者がいる。
「現段階では、成功率は約68パーセントだ。」
「68…。」
半分以上ではあるが、決して高くはない数値である。
「初期の成功率10パーセント以下に比べれば遥かに上がった
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