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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第二十七話  渚カヲル
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た。

『…………ねえ……。』

「!」

 子供の声。女の子のような声が聞こえた。
「…ふぃあ…か?」
『うん…。』
「なぜ今まで黙っていた?」
『だって、ツムグが……。』
「奴が嫌なら俺にしろ。」
 ツムグが嫌になったのなら自分に協力しろというと、ふぃあはまた黙った。
 風間は面倒くさそうに溜息を吐き。
「だったどうするんだ?」
『カザマこそオザキと仲悪いじゃん。』
「っ、うるせぇ!」
 尾崎のことを出されて風間は怒鳴った。
『…ツムグ、怒ってるかな?』
「野郎のことだ、別に怒ってもなんともないだろ。」
『うん!』
「……はあ…。おまえはアイツ以外に乗せる気ないだろ。」
『だって、だって、くすぐったいんだもん。』
「そんな理由か!」

『とりあえずDNAコンピュータは無事でしたね。』
『うむ。』

 とりあえずDNAコンピュータは、破損しておらず無事だったことは確認できた。





***





 一方そのころ。

「波川ちゃん、おつかれー。」
「まったく、心配して損しましたよ。」
 ツムグの調子が悪いと聞いて、様子を見に来た波川は呆れたと息を吐いた。
 ちょっとした間にツムグは元気になっていたのだ。
「もう大丈夫だよ。心配かけたね。」
「心配などしていません。」
「もう、嘘ついちゃって。」
 そっぷを向く波川に、ツムグは微笑んだ。
「そういえば、ふぃあちゃんがやっと口きいてくれたんだよね。」
「ええ、やっとよ。」
 調子が戻ったから感覚もほぼ戻ったようだった。
「ふぃあちゃんには悪いことしちゃったな。」
「そう思うのなら、ゴジラのことで我を忘れないように努めなさい。」
「それは難しいなぁ。」
 ツムグは、ヘラヘラ笑ってそう答えた。
 それを見て、波川は再度溜息を吐いた。
「ところでさ。」
「なんですか?」
「尾崎に懐いてる男の子がいるよね?」
「私は存じませんが、それがどうかしましたか?」
「いや、ちょっと面白いなって思って。」
「? 面白い?」
 何か面白い物を見つけた子供のように笑うツムグに、波川は疑問符を浮かべた。
 ツムグには、カヲルの正体が分かっていたのだがあえて口には出さなかった。
「ま、大丈夫でしょ。」
「…そうですか。」
 なんか不穏なことを言っている。だがあえてツッコミはしなかった。
「波川ちゃん。」
「なんですか?」
「俺は、万能じゃないからさ。」
「分かっているわ。」
「それならいいよ。」
 波川は、ツムグの言い方から予感した。

 それは、誰かが死ぬ時である。

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