第二十五話 精神干渉
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の槍に手を触れた。
『っ、なっ!?』
『えっ!?』
次の瞬間、ロンギヌスの槍が白く光るとあっという間に縮小し、尾崎が持てる大きさになってしまった。
『槍が…、小さくなった!』
『これは! どういうことかしら?』
リツコもこれには驚いている。ロンギヌスの槍にそんな機能があることを初めて知ったのだ。
『その槍はね、自由に大きさを変えられるんだ。それ投げればあの使徒は倒せるよ。』
『投げるって…。宇宙まで届くわけ…。』
『届くよ。あの使徒を倒したいって気持ちを込めればね。その槍は意志に反応する。』
『…分かった。やってみる。』
尾崎は通信機越しに頷いた。
リツコは、ロンギヌスの槍を持っている尾崎と小さくなったロンギヌスの槍を交互に見て、何か考え込んでいた。
第三新東京の大地に出た尾崎は、ロンギヌスの槍を持ち直しながら空を見据えた。
遥か空の彼方、宇宙にいる使徒アラエルはいぜんそこに存在する。
アラエルの光が第三新東京に降り注ぐ。まるで尾崎が出てくるのを待っていたかのように。
尾崎は、槍投げ選手のように構え、そして。
「いけえぇぇぇぇぇ!!」
恐ろしい速さで投げ放った。
ロンギヌスの槍は尾崎の手を離れるとその大きさを変え、どんどん巨大化し、やがて大気圏を突破した。
そして、アラエルに命中。
アラエルは、真ん中から引き裂かれるようにロンギヌスの槍に貫かれ、宇宙空間で散滅した。
アラエルを滅したロンギヌスの槍は、そのまま宇宙空間を飛行し、やがて月に到達した。
「や…やった?」
尾崎は、アラエルの光が消えたことで使徒の消滅を感じ取った。
こうして使徒アラエルは、殲滅された。
***
「尾崎君!」
「美雪。」
基地に帰還した尾崎を音無が出迎えた。
「風間達は?」
「風間少尉は意識が戻ったらしいは。他の人達はまだ治療中よ。」
そう会話していると、風間が少し足を引きずりながら尾崎のところへやってきた。
「風間、無事だっ…っ!?」
風間の無事を喜ぶ尾崎を、風間はガッと殴った。
「…チッ。」
舌打ちをした風間は、踵を返し、去っていった。
「風間…。」
頬を抑えた尾崎は、去っていく風間の背中を見つめることしかできなかった。
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