第二十五話 精神干渉
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のままにしてられる? 誰かに見せたいと思う?」
「……。」
培養液の中を漂っていたレイのクローン体達の映像を尾崎は超能力で見ている。尾崎は何も言えず押し黙った。
「それとも実験したかった? 音無博士。」
「っ、やめて。」
「そうだよね。分かっててもやりたくない。それでいいじゃん。」
尾崎達は、ツムグのその態度に怒りを覚えたが、過ぎてしまったことなのでこれ以上の追及はできなかった。
なおアダムが地球防衛軍の手に堕ちたと知って、ゼーレは、阿鼻叫喚であったらしく、取り返そうと刺客を送ったりしたものの、アダムの所在を掴めず徒労に終わることになるのは別の話である。
***
そんな中、新たな使徒が出現した。
サハクィエルに続いて、またも宇宙空間に現れたその使徒は、光そのもののような体をしており、翼を広げた鳥のようにも見える形をしていた。
サハクィエルの時のこともあり、落下攻撃を警戒していたが、落下攻撃をしてくる素振りはない。
翼を広げて宇宙空間をバックにそこにいる姿は、これまでの使徒の中で特に美しく神々しかった。
この使徒の名は、アラエル。鳥を意味する。
「宇宙への攻撃について、前回の使徒の時に使用したメーサー砲を使うことを提案します。」
「しかしあれは、あの時に大破したのでは?」
「新たに開発した物がある。」
「轟天号を宇宙に打ち上げるのは?」
「使徒の攻撃方法が分からぬ以上、それは他の艦隊による総攻撃のために取っておけ。」
「モゲラも加えましょう。」
「いい案だ。」
モゲラは、ゴジラとの戦いで一回大破(※壊したのはツムグ)して以来出番がほとんどなかった。機龍フィアの運用に疑問符を持つ者達はモゲラの活躍に期待を寄せている。機龍フィアが修理中なのもありモゲラを宇宙へ飛ばす案は案外すんなりと通った。
そして宇宙空間にいるアラエルへの攻撃のため、準備が始まった。
巨大砲塔を空へ向けて整え、モゲラや轟天号を始めとした艦隊を打ち上げるためのロケットの準備をしていた。
その時だった。
柔らかく眩しい光を、アラエルが地上に向けて発し始めたのである。
それが巨大砲塔を整備していた地上班に降り注ぐと……。
突然彼らは頭を抱えて苦しみだした。工具を投げるように手放し、高台にいた者は高台から転がり落ちるなどの被害が発生した。
「なんだ!? 何が起こっている!?」
「あの光か…! これがあの使徒の……っ!?」
地上で待機していた部隊にも光が降り注ぎ、彼らも漏れず苦しみだした。
「うわああああ!」
「やめろぉぉぉぉ!」
「いやだ、イヤダ! イヤダーー
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