第二十四話 G細胞と使徒
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変異するだろう。
今のゼルエルには、もはや本来のゼルエルとしての意思はほとんどないのかもしれない。あるのは、ただよりゴジラの細胞を摂取してゴジラに近い存在に変異することだけだろう。
ゼルエルのコアの方を見ると、コアは、ひび割れ、今にも砕けそうになっていた。
つまり使徒ゼルエルは、すでに死にかけているのだ。“使徒”としては。
変異が完全になった時、そこに残るのはゼルエルではなく、元がゼルエルだった怪獣がだけが残されることになるのだろうか。
邪魔だと言わんばかりにゼルエルが布状の組織をやみくもに振り回す。そのたび機龍フィアから火花や装甲が剥がれたりして傷ついていく。
機体ダメージの過多を知らせる警報音が操縦室に鳴り響きだした。
『つ、ツムグ…、イタイ、イタイよぉ…。』
「くっ。なら…。」
ツムグは、ふぃあの悲鳴を聞かずリミッター解除のスイッチを押そうとした。
その時。
機龍フィアの背後で、ゴジラが立ち上がった。
「ゴジラさ…、ブっ!」
ついに復活したゴジラの姿に歓喜したツムグだったが、機龍フィアの頭部を後ろから掴んだゴジラによって機龍フィアは、ゼルエルに頭を叩きつけられたため舌を噛み最後まで言葉を紡げなかった。
ゴジラの怪力で叩きつけられた機龍フィアの頭部の一撃で、ゼルエルは怯み、距離を取った。
ゴジラは、ぺいっと機龍フィアを横に放り棄て、雄叫びを上げた。
その目はギラギラと怒りに満ちており、血で汚れた口元を大きくゆがめている。
機龍フィアという障害がなくなったことで、ゼルエルがゴジラに迫った。
伸ばされた大きな手をゴジラが掴み、そのまま持ち上げて、投げ、地面に叩きつける。
それを何度か繰り返す。
コアに入っていたヒビがますます増える。
放り投げられて地面に叩きつけられ、ヨロヨロと起き上がろうとしながら、シュルシュルと布状の組織を出す。
また棒状に変化させたそれが伸ばされ、ゴジラを攻撃するがゴジラは、棒状のそれを掴み引き千切って捨てた。
使徒ゼルエルとして死にかけている今のゼルエルの力は、最初の頃と違いかなり弱ってしまっているのだ。
更にゴジラは怒るとパワーアップする性質があり、弱体化したゼルエルの力をますます霞ませる。
ゴジラが雄叫びを上げながらゼルエルに接近すると、ゼルエルは、素早くゴジラの腕に噛みついた。
噛みついた端からゴジラの細胞のエキスを吸い取ろうとする。だがそれを黙って許しはしない。
ゴジラは、ゼルエルの新しい顔の方の上顎と下顎を掴んだ。
ギリギリメキメキと、ゴジラは、怪力でゼルエルの新しい顔の方を上下に引き裂いていく。
引き裂かれたことで出血をし、新しい顔の横にある元々
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