第二十三話 力の使徒
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ゴジラの胸に齧り付いた。
ゼルエルの口に通じるそれからドクリドクリとゴジラから何かを吸い出している。
「や、ヤツはゴジラを喰っているのか!?」
「お終いだ…ゴジラですら敵わないなんて…。」
「な…波川司令…。このままでは…。」
「……。」
絶望の空気が司令部を支配しようとした時。
ゼルエルの背後に、機龍フィアが現れた。
ゴジラを喰うのに夢中になっていたゼルエルは全然その気配に気づいていなかった。
「ゴジラさんを喰うな。」
ゼルエルの背中に機龍フィアのドリルが刺さり、左目まで貫いた。
ゼルエルの口から出ていた物がゴジラから離れ、口の中に引っこんだ。
ゼルエルが暴れ、ドリルが抜けた。
後ろにいる機龍フィアの方に振り向いたゼルエルは、両腕を再び棒状に丸めた。
「おまえ、馬鹿だな。」
ツムグが吐き捨てるように言った。
「ゴジラさんを喰うなんて、身の程知らずが。」
ツムグは今まで誰も見たことがないほど冷たい目でゼルエルを見つめた。
その時、ゼルエルの体がドクリッと震えた。
棒状に丸められた腕がほどける。
宙に僅かに浮いていたゼルエルの体が、地に落ち、前のめりになる。そしてメキメキベキベキと不快な音を全身から鳴らし始める。背中に背びれのようなものが発生し、ペラペラの腕が太くなり更に長くなって手の先が地につく、爪が伸びる、ゼルエルの特徴的な顔を押しのけるように、全く違う顔が突き出てきて、不揃いの鋭い歯が並んだ口を大きく開けて、…咆哮した。
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