第二十三話 力の使徒
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少し見開かれている。
だがやられてばかりのゴジラではない。
続けて振られたゼルエルの腕を掻い潜り、ゼルエルに突撃する。
分厚いATフィールドが阻み、激突する音が響いた。
ゴジラは、ATフィールドを掴むようにして破くが、何枚も重ねられたATフィールドはすぐには突破できない。
ゼルエルの目が光り、爆炎がゴジラを包んだ。
だがすぐにゴジラが顔を出し、残りのATフィールドに喰らいつき破る。
ゴジラの顔が接触するかしないかの距離に迫り、ゴジラの口に熱線の光が込められた時だった。
ゼルエルのずんぐりした体が“ほどけた”。
そのためゴジラの熱線はその隙間から回避され、ゼルエルは上へ逃れた。
足が無くなり、腕と同じヒラヒラの体の組織に、白い肋骨のようなものに囲われた赤いコア、そして特徴的な顔だけがあるその姿は不気味と言わずしてなんと呼ぶというような姿であった。
ゴジラがハッと上を見上げた途端、何十枚ものATフィールドが放たれ、ゴジラを押し潰して土煙が大きく立った。
土煙が晴れた後には、ゴジラがうつ伏せになって地面にめり込んだ姿があった。
ゼルエルは宙に浮いた状態で更にATフィールドが発生させ、倒れているゴジラに放った。何度も何度も。
そのたびにゴジラはますます地面にめり込む。しかしゴジラもやられてばかりではないと言わんばかりにATフィールドを押し戻すように立ち上がろうとする。放たれたATフィールドがゼルエルの方に押し戻されそうになったり、押したりを繰り返す。
押し戻した一瞬をついて、ゴジラが上を向いて太い熱線を吐いた。
赤い熱線がATフィールドを貫き、ゼルエルに迫る。
ゼルエルの姿が熱線に飲まれるが、直後、ゴジラの左太ももが抉れた。
ゴジラが悲痛な声を上げた時、ゼルエルがずんぐりした体に戻りゴジラの背後に周る。ゼルエルの体は熱線で焼かれたためか湯気が立っているがATフィールドで威力を殺したためほとんどダメージになっていないらしい。
ペラペラの両腕がゴジラの体に絡みつき、その巨体を持ち上げて後ろへ叩きつけた。
そしてもう一度持ち上げ、前方へ放り投げられるゴジラ。
ゴジラがヨロリッと立ち上がろうとすると、ゼルエルの両腕がトイレットペーパーのように巻かれ、二本の棒状の形になりゴジラに向かって伸ばされた。
真っ直ぐ伸ばされたゼルエルの腕がゴジラの首の横とわき腹を抉った。
大きく出血したゴジラが後方に吹き飛ばされ、仰向けに倒れた。
ゼルエルがふわりと、ゴジラの近くに着地する。
ゴジラは、かふかふと口を開閉させていた。首を抉られた際の出血で口から吐血していた。
するとゼルエルの口から何かが出てきた。
それは先端が四つに開閉し、
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