第二十三話 力の使徒
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とができた機龍フィアの特殊超合金が、いともたやすく切断され、右腕が飛び、首を折られ、体の中心を背中の方まで貫通された。箇所から見て操縦席と思われる。中にいるパイロットは、間違いなく無事ではないだろう。
「だとしたら今までの使徒とはわけが違う…。ゴジラは、果たして勝てるの?」
リツコですら、この戦いの勝敗に大きな不安を感じていた。
それほどの力を持つのが使徒ゼルエルなのである。
「きっとあの老人達は、期待しているでしょうね…。この使徒に。」
ゼーレがゴジラを排除することに期待しているのは目に見えている。倒さずとも致命傷を負わせて人類補完計画実行まで大人しくさせたいはずだ。
ゼーレにとって、ゴジラは完全なるイレギュラー。
なんとしてでも排除したかったから地球防衛軍の結成と活動にもほとんど口出ししなかった。それが結果としてこれまでゼーレに従っていた者達の離反を招く結果となってしまったのだが…。
今やゼーレの目的は、変わりつつある。そのことに彼らは気付いていない。
「人類の進化のための計画が、自分達に逆らう者達への報復になりつつあるのに、気付いているのかしらね…?」
ゼーレに従わなくなったとはいえ、リツコはMAGIを使ってゼーレの様子を見ていた。ゼーレがMAGIのコピーを使っている以上、MAGI本体を操るリツコに筒抜けなのである。
ゼーレから漂う不穏な空気にリツコは、多少の不安を覚えていた。
と、その時。大きな振動が本部を揺らした。
上ではゴジラとゼルエルの戦いが激しくなっている。
「……ゴジラが勝つことを願っている自分がいるわ。恐ろしい…。…っ?」
頬杖をついてパソコンのモニターを見つめてため息を吐いていると、なぜかどこかで誰かがニヤリッと笑った気配を感じて、リツコは周りを見回した。
『それ悪いことじゃないよ〜。赤木博士。』
『ツムグ…、もうくっついたの?』
『まだ。』
『えー。』
***
荒地になった第三新東京の地面に赤黒い血が散った。
ゴジラの顔の左側から血が垂れる。
ゼルエルは、ペラペラの両腕を宙でヒラヒラと揺らしている。その様はかなりムカつく感じだ。
腹が立ったのかゴジラが歯を食いしばって唸る。
ゼルエルの片腕がヒュンッと動いた。あまりの速さで残像すら見えない。
ゴジラの爪が、ゼルエルのその腕を引き裂いた。
ゼルエルの引き裂かれた腕はすぐに修復された。
その直後、ゴジラの右肩辺りから血が噴き出た。先ほど引き裂いたゼルエルの腕が先にゴジラの肩を切り裂いていたのだ。ゴジラの右肩の出血はすぐに止まる。
さすがのゴジラもこの一撃には驚いたのかゼルエルを見ている目が
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