第二十三話 力の使徒
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うげっ、早く治せ!』
「ムチャ言わないでよ。」
いくら再生力が高くても、時間は使う。
機龍フィアの方も自己再生で素体部分の切断面を塞ぎ、折れた首がギギギッと治ってきていた。だがさすがに消し飛ばされた右肩のキャノンは治らない。右腕も地面に落ちたままだ。
再起動できるまで機龍フィアは、ゼルエルを追うことはできそうになかった。
***
地球防衛軍は、騒然となった。
機龍フィアが使徒ゼルエルの前に呆気なくやられてしまった。
ゼルエルは、相変わらず前線部隊の攻撃を無視して、第三新東京を目指して飛行していた。
「機龍フィアが…。」
「なんなんだあの使徒は! これまでの使徒とはわけが違うぞ!?」
「前線部隊の攻撃が一切通用していないし、どうすればいいのだ!?」
「機龍フィアの再起動までどれだけかかる!?」
「分かりません!」
「ああああもう使えん!!」
「このままでは使徒が第三新東京に行ってしまう! なんとしてでも止めねば…。」
しかし司令部の願い空しく、前線部隊の防衛を難なく突破したゼルエルは、ついに第三新東京に辿り着いた。
ところが……、ここから思わぬことが起こった。
ゼルエルは、第三新東京に面した海の方へ体を向けると、地面に着地し、ジッと動かなくなったのである。
そう、まるで何かを待っているかのように。
「? なんだ、どうしたんだ? 動きが止まったぞ。」
「何を企んでいるだ、あの使徒は。」
「まさか…。」
「なんだ?」
「もしかしてあの使徒は…、ゴジラを待っているのでは…?」
「そんな馬鹿な!」
使徒になってゴジラは、天敵だ。それがわざわざゴジラを待つなどと…。
だがそれを裏付けるようにゼルエルは、海の方を眺めている。動こうとしない。
それから数分後。
海から放射熱線がゼルエルに向かって飛んできた。
ゼルエルの前に10枚のATフィールドが発生し、全部破られたところで放射熱線が掻き消え命中はしなかった。
海の方からあの雄叫びが木霊した。
「き、来た!」
緊張が走る。
ゴジラがやがて海から姿を現し、ゼルエルの前に立った。
ゴジラを目の前にしてもゼルエルは、一切慌てる様子もなくその場に佇んでいた。
両者の睨みあいが一分ほど続いた後、両者がほぼ同時に動いた。
怪獣王ゴジラと、使徒ゼルエルの戦いが始まった。
***
「最強の拒絶型…。」
ネルフ本部でリツコが呟いた。
機龍フィアがゼルエルを前に敗北したのも生中継で見ていた。
これまでの使徒でも、ゴジラ相手でも耐えるこ
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