第二十三話 力の使徒
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い! なにアイツなに!?』
「ふぃあ、落ち着け!」
ツムグは、残った左腕からブレードを展開しゼルエルに突撃した。
ゼルエルの平たい腕がブレードを払うと、ブレードが真ん中から折れて地に刺さった。
近接武器を失い、ならばと口を開けて100式メーサー砲を正面から放つ。
すると数十枚ものATフィールドが発生し、十数枚を破ってそれを防いだ。
「これを防ぎきるか!」
ゼルエルがずいっと前のめりになった途端、新たに張られたATフィールド飛んできた。
地を抉りながら飛んできたATフィールドを真正面から食らい、機龍フィアの巨体が吹き飛んだ。
「ATフィールドを飛ばすって、そんな使い方でき…。っ!?」
素早く立ち上がった途端、ボキリっと大きな音を感知し、そのすぐ後にツムグの体に大きな衝撃が走った。
恐る恐る下を見たツムグは。
「ぁ…。」
血を大量に吐いた。
ツムグの半身を上半身と下半身に分けたのは平らな何か。
それはゼルエルの腕であった。
機龍フィアの体を貫き、中にいるツムグの体の胸から下を切断していた。
ツムグの体を貫いたことで血液などの体液で汚れた端からブクブクと沸騰するように水泡が出来ていった。
ツムグの体液と細胞で焼け爛れるとゼルエルは腕の根元辺りを切り離し、再び根元から薄っぺらい腕が生えて来た。
首を折られたあげく、胴体をカッター状のゼルエルの腕に貫かれた機龍フィア。貫かれ切断された背骨から赤黒い液を噴出した。その目から光が消える。
動かなくなった機龍フィアの横を、ゼルエルは浮遊しながら通り過ぎて行った。
この一瞬の展開に、地球防衛軍の前衛も後衛も、言葉を失って固まってしまった。
『…お…おい…、おい、おい! 椎堂ツムグ! 返事をしろ! 聞こえてるのか!?』
「………動ける…、…うにな、る…ま、で、待っ…て。」
口から大量の血を吐いた状態でぐったりと操縦席にもたれかかっているツムグは、切断された部位を撫で再生の具合を確かめながらそう返事をした。内臓が全部出て、操縦室を血の海にしている光景な上に、再生のために切断面と内臓が終始動いているのはとてもじゃないがお見せできない状況である。
『生きてたか! 状況を説明しろ!』
「いや…その…うん……、体、真っ二つに…され、た…。上と下が…離ればなれ。機龍フィアは、素体部分まで切断されて…。今から再生させるから待って…。」
『そんな状態でも生きているのか……。』
「乗ってるのが俺でよかったね。」
『……(ザザ)ッ…、ツム、グ、…ダ、だ、大丈夫?』
「ふぃあちゃんも無事だよ。」
『…意外と元気じゃねぇか……。』
「あはは…、そーでもないよ。まだ内臓全部出てるし。」
『
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