第二十二話 レイ、頑張る
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「おまえ技術部オペレーター、まだ目指してんの?」
「まあな。」
日向が今読んでいる本は技術職に関する資格の勉強をする本である。
「地球防衛軍は子供の頃からの憧れだったからな。この機会を逃したら二度と巡ってこないよ。」
「そりゃよかったな…。」
目をキラキラさせて言う日向の様子に、青葉は少しうんざり顔で言った。
一方で伊吹マヤは。
「先輩、コーヒーをどうぞ。」
「ありがとう。マヤ。」
パソコンの前にゆったりと椅子に座っているリツコに、マヤがコーヒーの入ったカップを渡した。
「…マヤ。」
「はい。なんでしょうか?」
「あなたはこのままここにいるつもるりなのかしら?」
「はい。先輩を置いていくなんてできません。」
「今のネルフにいても何もないし、収入も少ない、贅沢を控えれば十分生活できる。そんな生活を続けることになるわよ?」
「大丈夫です。」
「若いあなたがこんなところで人生を終わらせるなんてことないのよ?」
「いいんです。これが私の選んだ道ですから。」
「あなたなら防衛軍の技術職でやっていくことだってできるのに、勿体ないわね。」
「それは、先輩の指導がおかげです。」
「私のためなんかにここ(ネルフ)に残らなくたっていいのよ?」
「私、先輩に憧れているんです。」
「落ちぶれた組織の管理しかできない科学者なんて憧れても失望するだけよ?」
「でも先輩。最近楽しそうじゃないですか。」
マヤが言うリツコが楽しそうという意味は、ゴジラが出てきてからというもの、ゴジラ関連の資料や、ゴジラと防衛軍の戦いを生中継で視聴していることだった。
「それにMAGIの管理だって先輩一人よりやりやすいと思うんですよ。それとも私じゃダメですか?」
「そんなことないわ。ありがとう。」
「そう言っていただけるだけで十分です。」
マヤはにっこり笑い。リツコは、やれやれと言う風に肩をすくめ微笑んだ。
***
波川の執務室で、波川とゴードンが机を挟んで対峙していた。
「…要件はなんですか?」
「ゼーレを知っているか?」
それを聞いた波川は、眉を歪めた。
波川の表情を見てやはりかとゴードンは呟いた。
「どこでその言葉を?」
「言う必要はない。」
「……。」
「……。」
そして再び沈黙が流れる。
先に口を開いたのは波川だった。
「私もすべてを知っているわけではないわ。“彼ら”のことは。」
「全く知らないわけじゃないんだな?」
「セカンドインパクトが起こる前…、解散する前の地球防衛軍にいた頃、彼らに従う者と接触した。彼らは地球防衛軍を良く思っていなかったらしいから
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ