第二十一話 可能性への敵意
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たのだった。
そしてゴジラが何かを吐きだし、ヨロヨロの状態で海へ帰還した後、ゴジラのその嘔吐物からドロドロに溶けかけた椎堂ツムグが発見された。
持ち前の再生能力がほとんど機能しておらず、ツムグの回復には年単位で時間を要したものの、ツムグは全快。
ゴジラは、数年間もの月日も姿を現すことはなかった。
これがメルトダウン寸前のゴジラが元通りになるまでのことである。
メルトダウンというもうどうしようもない現象を抑えたツムグの偉業については当時の情報操作により隠ぺいされた。そうでなくてもツムグの存在が隠されている以上公にはできなかったのだ。
どうやってツムグがゴジラのメルトダウンを防いだのか、当時の科学者達が調べたり、ツムグ本人から聞き出そうとした。
結論としては、ツムグがゴジラの核エネルギーの炉心である心臓に直接取りつき、自らの細胞を劇薬としてゴジラの細胞の回復力をアップ。炉心の回復によって暴走した核エネルギーは鎮静化され、メルトダウンは治まったということらしい。
ツムグは、ツムグで炉心の心臓にとりついて細胞を与えるため半融合状態になってしまい、その結果ドロドロに溶けてしまったが、完全に溶ける前にゴジラに吐きだされて今に至るらしい。もし吐きだされなかったらツムグはゴジラに溶けて死んでいたとされる。
『ゴジラさんのいけず…。』
喋れるようなった時のツムグの第一声がこれだったとか。
「この一件でツムグの監視体制がより厳しくなったんだったな。」
「ああ、ゴジラを助けたからな。隙さえあらばゴジラに味方する気満々だってことを主張したようなもんだし。」
ナノマシンと爆薬を体内に仕込まれたのもこの時期からだ。
研究者は、なんとかして初号機の細胞の培養をしたかった。
初号機の構造が分かれば何かヒントが得られるかもと思い、ゴジラに破壊されている時の映像を閲覧した。
その時、ゴロリと転がり出て来た球体を見て、使徒の体にあるコアと酷似していることに気付き、もしかしたらと思った。
そこで保存されているザトウムシ型の使徒マトリエルから回収されたコアの一部を切り取り、クローニングを行う。
クローン復元された使徒のコアに初号機の細胞を当ててみる。
しかしコアの方はクローン復元されたにも関わらずほとんど機能していない。なので初号機の細胞に対して何の意味もない。
なにかコアの代わりとなるものがあればと考えた時、あるモノの存在が頭に浮かんだ。
改造巨人フランケンシュタイン。
太平洋戦争末期にドイツから日本へ運ばれたとされる、“フランケンシュタインの心臓”と呼ばれる不死身の心臓なるものから生まれた巨人である。
怪獣バラゴンとの戦いで絶命。
その後、ガイ
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