第二十話 ロボット競技大会
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御が利きません! まさか…、暴走!?」
「そんな馬鹿な!」
日重側のオペレーター達が慌て出し、傍で指示を出していた時田がありえないと声を荒げた。
ジェットアローンが、その体格からは想像もできない跳躍力で飛んだ。
「あっ…。」
ツムグがポカンッと驚いている間に、上から振り下ろされたジェットアローンの腕が機龍フィアの頭部に振り下ろされた。
重い一撃によって首が下に反った。
着地したジェットアローンは、両腕を交互に振り、機龍フィアの頭部ばかりを狙って打ち続けた。
『アン、アッ、アウぅ! もうしつこいよォ!』
ふぃあが声を上げるが…、実際のところダメージにはなっていない。
打たれるたびに火花が散り、宙にキラキラと金属片が散っていた。
機龍フィアの特殊超合金を打つたびに、ジェットアローンの腕の金属が削れているのだ。
『ツムグ!』
「なに? 波川ちゃん?」
『JAのOSが暴走を始めたわ。JAを沈黙させなさい。』
「暴走…。」
波川からの指示を聞いて、ツムグは、少し考え込んだ。
「まーさーかー…。ふぃあちゃ〜ん。」
『な、ナニナニ、ツムグ、ナニ?』
不自然に焦っているふぃあの声に、ツムグは確信した。
「こら。」
『してないしてない! 暇だったからウィルスなんて作ってない!』
「はい、アウト!」
ジェットアローンの暴走の原因が、ふぃあが作ったコンピュータウィルスによるものだと分かった。
「今すぐワクチンプログラムを作れ!」
『適当に作ったのだから解析に時間かかる〜!』
『ツムグ、…どういうこと?』
「聞いた通りだよ。ふぃあちゃんがやらかした。」
『……まったく。うまく手綱を握ってほしいわね。』
「ごめん…。」
『ウェ〜ン。』
「ともかく解析を急いで。あれ(ジェットアローン)を壊してもウィルスが他に移るってことはない?」
『移んないよ…。』
「それなら…。」
一人納得し、うんうんと頷きながら、ジェットアローンを見る。
そして操縦桿をしっかりと握り、シンクロを開始した。
打ち続けるジェットアローンの片腕が、途中で千切れ飛んだ。しかしそれでも攻撃を止めようとしない。
「ごめんね。」
そう言った瞬間、機龍フィアの尾がジェットアローンの胴体を直撃しジェットアローンの巨体が軽々と吹っ飛び地面に落下した。
わき腹からバチバチと放電し、立ち上がろうともがこうとしていたが、全身を支える胴体が大きく破損してしまってはできない。
放電は少しずつ弱まっていき、やがて完全に停止した。
会場がシーンッと静まり返り、機龍フィアは、体の向きを変え、ジェットアローンの冥福を祈るように首を垂れた。
『
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