第二十話 ロボット競技大会
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で抑えないといけない。それこそイロウルに乗っ取られた時より人が密集している分、酷いことになること間違いなし。
「よしよし。がまんがまん。…ん、固い。」
ツムグは、コンピュータを撫でながら牛串を齧った。お祭りの牛串だしこんなものだろう。
噛みごたえがある肉を噛んでいると、ふいにツムグは、動きを止めた。
「? どうしたんですかぁ?」
「ん〜…、ちょっとね。」
「あなたの“ちょっとね”は、すごく大変な事じゃないかと記憶してますけどぉ。」
「……よくないことが起きそうだなって思って。」
「はっきり見えないんですかぁ?」
「ただすごく嫌な予感だけがする。はっきりしてることは…、ここ(ロボット競技大会)じゃ起きないことだってことだ。ロボット競技大会は無事に終わる。それだけは確か。」
「こんなご時世ですしねぇ。」
ゴジラの復活。使徒の出現。何よりセカンドインパクトの爪跡が酷い崩壊した地球。
こんな環境でも人間はしぶとく生きている。
「なんだか楽しそうだね、ナッちゃん。」
「ツムグさんの預言が当たる瞬間が楽しいんですよぉ。うふふふ。」
「もしもの話だよ…。もしも、ナッちゃんが死ぬって預言をしたらどうするの?」
「うふふ…、その時は私のことを少しは想ってくれますぅ?」
ツムグの後ろからツムグの肩に手を置き、寄りかかって来るナツエ。
「それは、その時にならなきゃ。」
ツムグは、そう言って微笑んだ。
「ところでカキ氷が食べたいな〜。ブルーハワイで。」
「は〜い、分かりましたぁ。ちょっと待っててくださいねぇ。」
ナツエにカキ氷を頼んで、ナツエがトラックから出て行った後、入れ替わりに波川が来た。
「波川ちゃん。」
「ツムグ。あと1時間でJAとの模擬戦闘を始めるわ。準備をしなさい。」
「了解。」
ツムグは、そう言って立ち上がった。
「そういえば、JA作った時田って人が俺に会いたがってたんじゃなかった?」
「機龍フィアのパイロットは、秘密。あなたのことを一目で分かる人間がそうそういなくても、G細胞完全適応者がパイロットだということを知られるわけにはいかない。」
「そうか。」
「カキ氷持ってきましたぁ。あっ、波川司令。」
「ナッちゃんありがと。」
波川の横を通り過ぎ、ナツエからカキ氷を受け取ると、ツムグは、トラックから出て行った。
***
ロボット競技大会のメインとも言える巨大ロボット同士の模擬戦闘イベントを、お客達は心待ちにしていた。
模擬戦闘のイベントに出場する片方である、ジェットアローンは、すでに会場入りしており、模擬戦闘の戦闘場で沢山のスタッフによって念入りに準備が整えられていた。
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