第十九話 シンジの告白とレイの気持ち
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けた。
「ええええ!? 綾波、どういう意…。」
「こう。」
シンジが混乱していると、レイは、シンジの両手首を掴んで引っ張り、ちょうどレイの体を抱きしめるような形に持って行った。
「あ、綾波!?」
「こう……ぎゅ? して。」
「っ!」
つまり抱きしめろと言われ、シンジは、真っ赤になって固まった。
レイが、上目づかいでシンジに潤んだ目を向けてくる。
シンジは、呼吸が乱れそうになるのを押さえながら、レイの体を抱きしめた。
その体の細さに驚き、レイの体温が低いことにも驚かされた。
でも…、密着した個所から、レイの鼓動の速さが伝わってきて、シンジは、ゴクリッと息を飲んだ。
「碇君…、あったかい。」
レイがシンジの体にスリッと頬をこすりつけてきたため、シンジは、悶絶しそうになった。
「碇君、実験が始まる時も、またギュッてして。」
「う…、うん。」
「碇君にギュッしてもらったら、怖くなくなってきた。」
「そ、そう、よかった、ね…。」
「…ずっとこうしていたい。」
「……ぼ…、僕も…だよ。」
二人はしばらく、抱きしめ合い続けた。
それが終わりを告げたのは、火にかけていた卵丼の具が焦げた匂いが充満してからのことだった。
***
「いや〜、めでたいめでたい。」
「どうしたの?」
「ちょっとね。それはそうと、波川ちゃん、マジで機龍フィアを大会に出すの?」
波川の執務室で、ツムグは波川の机に腰かけながら言った。
「MOGERAも出します。」
「地球防衛軍の宣伝のためとはいえ、対ゴジラ兵器を出さなきゃいけないのかぁ…。」
「一般へのお披露目でもあるわ。機龍フィアにたいする反感を少しでも緩和できればと。」
「…使徒にやられた時(※使徒イロウルに乗っ取られた)に、街中を突っ切っちゃったから…。」
あの時の被害から、機龍フィアへの反感と、その運用反対を掲げる運動が起っている。
「3式機龍の時もそうだ。都内で暴れたし。」
「その反省を踏まえての4式開発計画だったのよ。」
「使徒はどうしようもなかったわけだけど、一般人は納得しないよね。どこかにぶつけないとやってられないわけだし。」
「競技大会で、メインとして、機龍フィアには、模擬戦を行ってもらうわ。」
「対戦相手は?」
「ジョットアローン。通称、JA。」
「…秒殺しないように心掛けるよ。」
名前を聞いた時点で勝負にならないと思ったのは、黙っておく。
「お祭りと思って気楽にやりなさい。」
それは波川の方も思ったことらしい。
「あっ、ふぃあちゃんがそこらへんのこと理解してくれるかどうか分かんないから事前に話しとくよ。」
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