第十九話 シンジの告白とレイの気持ち
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にが?」
ツムグを呼びに来た男が、話しかけた。
「ほんとかどうかまだはっきりしてねぇんだけどな…。実は…。」
ヒソヒソと話された内容に、話しかけられた側は目を見開いた。
「なに〜!? 世界ロボット競技大会!」
「声、でけぇよ。」
「ま、まさか…、あいつが呼ばれたのって…。」
「そうなんじゃないのか? はっきりしてねぇんだけど。」
「…機龍フィアって100パーロボットじゃないぞ?」
「そこらへんはうまくごまかすんじゃないのか? 知らねーけど。」
***
一方そのころ。
「………そんなところで何をしている?」
風間は、通路の隅で座り込んで体を小さくさせているレイを見つけた。
レイは、びくりっと震えて顔を上げた。
もとから赤い目を赤く腫らし、頬に涙の痕を作ったレイの顔を見て風間は顔をしかめた。
「泣いてたのか?」
「あ……。」
「何があった?」
尾崎と違い遠慮のない口調で風間は語り掛ける。
レイは、少し怯えながらポツリポツリと何があったのか話し始めた。
話を聞いた風間は、呆れたように息を吐いた。
「それでこんなところでベソベソしてたっていうのか? おまえは何がしたいんだ?」
「私…は…。分から…ない。」
「シンジに好きって言われて、おまえはどう思ったんだ?」
「どう……。」
レイの目からまた涙が零れた。
「なんで…涙が……。」
「………嫌だったのか?」
風間が聞くと、レイは、ふるふると首を横に振った。
風間は、イライラとした様子で頭をかいた。
「そいつは、嬉し涙だ。」
「うれし…?」
「涙ってのは、嬉しくても出るんだよ。」
「私…、碇君に……、言われて…、嬉しい?」
「それはおまえの気持ちだ。俺が知るわけない。」
「私の気持ち…。」
「…言ってくりゃいい。」
「えっ?」
「どーした? シンジに返事をしないままでいる気か? 告白されたんなら、好きか嫌いか返事を返すのが常識だ。行ってこい。」
「でも…。」
「いいから、行ってこい!」
風間の苛立った声にレイは、慌てて走って行った。
残された風間は、ヤレヤレと後頭部をかいた。
「へ〜え、風間少尉ってばやるじゃない。」
「うぉ! 音無…博士。それに尾崎!」
後ろから音無の声がして驚いて振り返ると、音無と尾崎がいた。
「風間がレイちゃんの背を押したんだ。」
「俺は別に…。ただイライラしただけだ。」
ばつが悪そうにそっぽを向く風間に、尾崎は終始ニコニコしていた。
「それにしてもシンジ君がレイちゃんについに告白か…。うまくいくといいわね。」
「そうだな。
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