第十九話 シンジの告白とレイの気持ち
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ていることについてツッコんでいただろう。
ツムグの視線を受けたレイは、びくりっと体を震わせた。
ツムグは、無言でレイを見つめた。レイは、たらたらと汗をかき、不安と恐怖を和らげるためか胸の前で手を握った。
それから数分ぐらいだろうか、その状態が続いた。
やがてツムグが、フッと笑い。
「俺が怖い?」
レイは何も答えなかった。
「俺は君に危害を加えるつもりはかけらもないけど?」
「……。」
「君達には幸せになってほしいって思ってるんだけどな…。」
「っ…。」
「怖がるのは悪いことじゃない。君はどうしたい? 生きたい? それとも死にたい?」
ツムグの問いかけに、レイは、唇を微かに震わせた。
「………た、ぃ。」
「ん?」
「…生き…たい。」
「よく言えました。じゃっ。」
そう言って笑ったツムグは、姿を消した。
ツムグがいなくなり、レイは、ヘナヘナと崩れ落ちた。
「まったく、何をしに来たんだ、あいつは。大丈夫か?」
「……。」
「大丈夫そうだな。」
全然大丈夫じゃないのだが、そう判断された。
***
一通りの検査を終えたレイが廊下を歩いていると、廊下の先にシンジが立っていた。
「碇君…。」
「あ…。」
レイの声でシンジがレイの方に振り返った。
しかしすぐに目をそらされてしまい、レイは、俯いた。
「ごめんなさい。」
「なんで謝るの?」
「だって私は…。」
「人間じゃないのは聞いた。音無さんからも聞いた。」
「それだけじゃないの。私は…。」
「母さんのこと?」
「えっ? ……聞いたのね。」
シンジは、音無から聞いていた。
リツコから渡されたレイについての資料に、碇ユイ…つまりシンジの実の母親のことが記されており、レイとどういう関係にあるのかを。
検査結果と資料から、レイは、シンジとは従弟くらい離れた位置にいるということが分かっている。
「私は存在してはいけなかったのかな…。」
「なんだよそれ…、死にたいってこと?」
「あ…、ちが…。」
「あの時僕が助けなきゃよかったって思ってるってこと?」
「違う!」
レイは、すぐに否定した。
「碇君がいたから私は今ここにいる。碇君いたから…。」
「音無さんから聞いた…。綾波が完全な人間になる方法があるって。でも、死ぬかもしれないって聞いた…。」
「……死ぬ確率がずっと高いらしいわ。」
「……。」
「ねえ、碇君……。」
「…なに?」
「…私、生きていてほしい?」
レイは、胸の前で手を握って、俯いて弱い声で聞いた。
シンジは黙ってしまった。
レイは、手が震え
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