第十八話 BARDIEL その2
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自分の口から言った方がいいと思ったんだ。それにまだゴジラさんは気付いてないし。まだ時間はある。」
「彼女をゴジラから守ることはできるのか?」
尾崎が聞くと、ツムグは大げさにう〜んと唸って考える恰好をした。
「微妙だね。」
「びみょうって…。」
「こればっかりは、俺もどうしようもないっていうか…。賭けになる。」
「かけ?」
「あの子を完全な人間にすることができるよ。」
「なんだって!」
まさかの言葉に二人は驚いた。
「ただし。」
ツムグが人差し指を差し出した。
「賭けになるって言ったよね? 失敗すればあの子は確実に死ぬ。」
「何をする気なの?」
「俺の血…、いや体液…、まあ何でもいいけど、骨髄液が一番いいかな? それをうす〜〜〜くしたのを一定量注射するだけ。」
「…そ、それだけ?」
「濃度と量間違えたら、即死。」
「賭けもいいところだろ!?」
「身長とか体重とか、その時の体調とか…、一番は本人の生きたいって意思力に関わって来るから、言いたくても言えなかったんだよね。だってあの子、最初の頃死にたがりだったわけだし。」
レイは、地球防衛軍に保護された最初の頃は、消えたいという願望に取りつかれており、実際に自殺未遂(シンジにより未遂で終わる)をしている。
また人間らしさというものが薄く、最近になってかなり人間らしい部分が強まったと思われるが…。
「これって成功すれば、俺の体液で死なずに健康になるってとうの昔に諦められてたことが叶うんだよね。ただ個人差があるからさ…。ほんと一発勝負になるよ。それでも人間になりたいならやってみるかどうか、あの子に聞いてみたら?」
「そうなったら一気にツムグの細胞の有用性が高まるってわけね。」
「それは、俺としてはよくない傾向なんだよね〜。」
ツムグは、複雑そうに顔を歪めた。
「ツムグは嫌なのか?」
「嫌って言うか、よくないなって思ってる。人間ってさ便利な方に行っちゃう癖があるから、色々間違えちゃうじゃん? 俺みたいなのに頼るのはダメだよ。」
ある意味で死にたがりのツムグにしてみれば、戦って死ぬために生かされていることより、人類のためだとかそういう大義のために生かされることに抵抗があった。
ましてやナツエが言っていたように、不老不死などと言われるのは…。
「でもさ、目の前で泣いてる子供がいたら、それはもっとよくないから、こうして来ちゃったわけなんだけど。」
「ツムグ…。」
「ほんとに賭けだから。はっきり言って確率は、10パーセントもないと思う。」
「ゼロ…ではないのね。」
「0パーセントじゃない。それだけは言える。」
「分かった。」
「でもさ…、あの子俺のこと怖がってるんだよね。そこん
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