第十八話 BARDIEL その2
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「碇君。」
「…、ハアハアハア…。だ、大丈夫。」
汗が噴き出て呼吸が荒くなるが、心配するレイにシンジは、笑顔を向けた。
「その様子なら、問題なさそうね…。私はこれで失礼するわ。ゆっくり休みなさい。」
そう言ってリツコは、笑顔を浮かべ、病室から出ていこうとした。
「赤木博士。」
レイが、リツコを呼び止めた。
「どうするかはあなたの自由よ。」
「…はい。」
リツコは、振り返らずそう言うと今度こそ出て行った。
リツコが出て行った後、レイは、何かを決心したような表情をして音無に向き直った。
「音無博士。お話を聞いてもらえますか?」
「なに? ここじゃ言えない話?」
「?」
レイは、音無に話があると言った。シンジは首を傾げレイを見た。
「はい…。」
「そう…、じゃあ、隣の空き病室で話をしましょう。」
「はい。」
レイは、音無と共に隣の空いている病室に行った。
残されたシンジは、何を話しているのか気になったが、盗み聞きするわけにはいかないのでここにいることにした。
「シンジ君!」
「尾崎さん!」
病室の扉が開いて、尾崎が飛び込んできた。
「よかった! 無事だったんだね。」
「はい。なんとか…。あ、音無さんが…。僕のせいで…。」
「君の責任じゃないよ…。悪いのは……、君の、お父さんだ。」
「……父のせいなんですよね。」
シンジは、音無と自分を誘拐したのが自分の父であるゲンドウであることを覚えていた。
「やっぱり僕のせいだ。僕がいたから音無さんが巻き込まれたんだ。」
「そんなこと言ってると美雪にデコピンされるぞ?」
「でも…。」
「君のせいじゃない。いいね?」
強く、言い聞かせるように言われ、シンジは、それでも食い下がったが、仕方なくといった様子で頷いた。
「君のお父さん。碇ゲンドウは、地球防衛軍が管理する監獄に送られた。」
「……当然だと思います。」
シンジは、恐怖の対象だった父親が最強と謳われる監獄行きになったと聞いても何も感じなかった。それほどまでに情は無くなっていたらしい。
「シンジ君は賢いから、何も言う必要はないね…。」
「あの人がそれだけのことをしたのは理解しているつもりです。」
シンジは、どこか自虐めいた笑みを浮かべて見せた。
尾崎はそれを見て、これ以上言うのはよくないとこの会話を終わらせた。
するとそこへ、レイと音無が戻ってきた。
「美雪も来てたのか。」
「尾崎君、シンジ君。大事な話があるの。聞いてくれる?」
「……。」
真剣な表情でそう言う音無と、音無の隣で黙っているレイに、尾崎とシンジは、顔を見合わせた。
「碇君…、尾崎さん……、私
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