第十八話 BARDIEL その2
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?」
びっくりしたという意味と、今自分がやろうとしたことについての羞恥によるものなのだが、音無は結構勘違いしている。
「ナースコールしないと!」
「あ、あ、ああ、ち、違います! びっくりしただけですから!」
「えっ、そうなの? よかった…! とにかく、無事で!」
シンジの肩を掴み、項垂れ涙する音無に、シンジは、若干混乱した。
「えっ? あの…、何が?」
「…覚えてないの?」
「えっ…っと……、僕………………、そうだ…、またあの紫色のロボットに…、それで、…頭痛い……。」
思い出した途端頭痛が走り、シンジは顔を歪めた。
シンジは、額を押さえながら音無をちらりと見て、音無の顔の片頬に大きなガーゼが張ってあることに気付いて目を見開いた。更に青あざや、瘡蓋などが顔のあちこちにあった。
「お、おおお、音無さん、顔!」
「あ、これ? 大丈夫よこれくらい。」
「で、で、でも…。」
「う……うん? 碇君?」
その時、レイがやっと目を覚ました。
目をこすりながら、寝ぼけた目でシンジの顔を見たレイは、みるみる内に目を見開いて。
「碇君!」
「わっ! あああああああああ、あや、なみぃ!?」
ギュッと抱き付かれてシンジは、茹蛸のように真っ赤になった。
「………よかった。」
「っ…。」
ぽつりと呟かれた言葉で、レイがどれだけ心配していてくれたのかが分かって、シンジは我に返った。
「目が覚めたのね?」
そこへ、リツコが現れた。
リツコの姿を見たシンジは、頭の中にハテナマークが浮かんだ。
「あらあら、お邪魔だったかしら?」
と言ってクスクス笑われ、シンジはますます混乱した。
「レイちゃん、そろそろ離してあげなさい。」
音無が苦笑しながらレイをシンジから引き離した。レイは不満そうにしていた。
「気分はどう? 頭が痛む?」
「えっと…、ちょっと頭が痛みます…。」
「そう…、しばらく痛みは取れないでしょうけど、頭痛薬でも処方したほうがいいかしら?」
「あ、あの…。」
「なにかしら?」
「あなたは、誰ですか…?」
「…まあ、あれっきりだったし覚えてなくても仕方ないわよね。私は、赤木リツコ。元・ネルフの科学者で、あなたが乗ったエヴァンゲリオンを作って管理していたのよ。」
「えっと…、うーん。ここまで出かかってるんですけど。」
と言って喉を示すシンジに、リツコはクスッと笑った。
「もしかして覚えてないのかしら? 最初のあの時よりはマシみたいね。」
「最初? ………あっ。」
言われて、何のことかと思い出そうとしたシンジは、あの恐怖と衝撃を思い出し顔を青くした。
音無が慌ててシンジの背中を摩った。
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