第十八話 BARDIEL その2
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を見上げ、それから俯いて舌打ちでもするように口元を歪めた。
機龍フィアは、その隙に左腕を失い地面にへたり込んでいる弐号機の前に来て、ゴジラから守るように立った。
ゴジラは、そんな機龍フィアをちらりと見た後、フンッと鼻をならし、東京湾の方へ歩き出した。
「おいおい、ゴジラがエヴァンゲリオン弐号機を無視しして行くぞ。エヴァンゲリオンは、攻撃の対象じゃなかったのか?」
「さあな、ゴジラにはゴジラなりに優先順位ってのがあるんじゃないか?」
「とにかく今回も何とかなったな。」
エントリープラグの中にいたシンジは、保護され、意識がなかったためすぐに救急隊によって運ばれていった。
人質にされていた音無も保護され、事件の犯人であるゲンドウは、心神喪失状態で連行されていった。
意識を失っているシンジについて、エヴァとの神経接続の過程で精神汚染などの障害が発生した可能性があるとして、赤木リツコが診察をさせてほしいと願い出た。
リツコはネルフから離れることを禁止されていたが、彼女以上にエヴァに詳しい人間がいないためその願いは許可された。
こうして、使徒バルディエルとの戦いは幕を下ろした。
***
目を覚ましたシンジは、左手に温かい物があることに気付いた。
「…綾波?」
怪訝に思って横を見ると、ベッドの端で椅子に座ったレイが頭をのせて寝ていた。
温かさの正体は、シンジの手を握るレイの手だった。
スウスウと静かな寝息を立てて眠っているレイの寝顔。
シンジは、じっとレイの顔を見た。
白い。こういうのを病的と言うのだろうか、透き通るようなと言うのだろうか、とにかく白い。
こんなに白くても一応は健康らしい。
不思議な青い髪の毛。
綺麗な顔のラインと目鼻立ちは、どこかで見覚えがある面影があるものの、シンジには思い出せなかった。
それにしても…だ。
薄紅色の唇につい、目が行ってしまう。なぜだろう?
レイは、起きる気配がない。
シンジとて男だ。それも思春期真っ只中の。
病室のベッドではあるが、ベッドの横で気になっている美少女が寝ていて、しかも起きる気配が全くない状態だとどんな気持ちになるか。
レイの綺麗な寝顔に見惚れつつ、シンジは無意識に唾を飲んだ。
恐る恐る、ゆっくりと、シンジの顔がレイに近づいていった。
その時。
「シンジ君!」
「!? わあああああ!」
バターンッと病室の扉が開いて音無が入ってきたので、シンジは体を起こして悲鳴を上げた。顔と首を真っ赤にして。
「大丈夫!? シンジ君!」
「し…心臓止まるかと思った…。」
「えっ!? 心臓が!
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