第十八話 BARDIEL その2
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の余力が残っていないのである。
バルディエルは、頭部にあたる部位を縦に割って口とし、叫び声のような鳴き声をあげながら突撃し、メーサータンクと兵士達を蹴散らした。
すると天井からメーサーを撃たれた。メーサータンクに比べると弾は小さい。
見ると、自分が空けた天井の穴から尾崎がワイヤーを伝いながらメーサー銃を撃ってきていた。
なぜだ?
なぜ己は、このリリンを……。
背筋はないが長い身体が震える。知らない感覚にバルディエルは、一瞬硬直した。
こんな“モノ”、知らない。
バルディエルは、その感覚を振り払うように尾崎に向かって頭を伸ばし、口を開けた。
そのまま尾崎を丸呑みにした。
こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。こんなモノ知らない。
こんなモノ(恐怖)など知らない!
バルディエルの腹部にあたる部位が、橙色の光が発生し、ボコンッと膨れ上がった。
メーサー銃の弾が内側から貫通し、穴をあけた。
なんだ!?
何が起こって…。自分は、何を?
このリリンは、……ナ、ニ、モ、 ?
疑問が次々に浮かんできては消え、バルディエルは、徐々に視界も思考も暗闇に飲まれた。
鋼鉄の床に頭部にあたる部位が倒れこみ、バルディエルは、息絶えた。
バルディエルの口から、尾崎が這い出てきて、動かなくなったバルディエルを確認した。
「………俺が、何者かって?」
バルディエルの最後の思考を感じ取った尾崎が呟いた。
「…俺は、……俺だ。そのはずだ。」
もう動かないバルディエルに向けて、尾崎は言った。
***
特殊装甲板の上。つまり第三新東京では、ゴジラと機龍フィアの戦いが続いていた。
全身から湯気を出し、金属のあちこちが赤々となっているオーバーヒート状態であるが、ゴジラとやり合う機龍フィア。
科学部の推測だと内部の冷却装置がイカレテしまっているかもしれないということらしく、操縦席の方は灼熱地獄もいいところだとか。中にいるツムグは、オーブンで焼かれているも同然の状態かもしれないとも言われた。
初号機から引き抜いたエントリープラグは、ゴジラが初号機を潰している隙に近くの部隊に渡しておいた。
ゴジラが、ふと手を止めた。
何かがいなくなったのを感じたかのように。
そして機龍フィアとある程度距離を保ったまま、宙
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