第十七話 男の過ち
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間が赤々と光りだした機龍フィアの腹部から絶対零度砲が放たれ、ゴジラを凍らせた。
凍らせたゴジラから崩れ落ちるように地面に倒れた機龍フィアが全身から煙を吐きながらすぐに立ち上がり、初号機に近寄った。
初号機の背中を掴むと、首筋にあるエントリープラグのある部位の装甲を剥がした。
そして尖った指でエントリープラグを摘まみだした。
それを目にしたゲンドウが目を見開き、言葉にならない声で何事か叫んだ。
機龍フィアの背後でゴジラが氷を破って怒りを露わにした。
エントリープラグをしっかり持ち直した機龍フィアは、もう片手で掴んでいる初号機を振り返りざまにゴジラに放り投げた。
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「…よかったですわね。あなたの望み通りになりましたわよ?」
頭を抱えて絶叫するゲンドウに向けて、リツコが嘲笑を浮かべてそう言った。
初号機を投げつけられたゴジラは、初号機を掴み、まず右腕を引きちぎった。
更に足を掴み根元から千切り、放り棄てた。
頭を掴み、地面に叩きつけた。それだけで初号機の背骨が折れたのか上半身と下半身があり得ない方向に曲がった。
ゴジラが残った左腕を持ち上げた
背骨部分を掴み、ギリギリと引っ張る。
あまりの怪力に、腹の筋から体液が漏れ出し、やがて内臓が溢れ出始めた。
そしてついに真っ二つに引き裂かれ、内臓と背骨が露出した上半身が地面に落された。
初号機の頭部が陰り、ゴジラの足が無慈悲に踏み下ろされた。
そして何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。ゴジラは、初号機を踏み潰し続けた。
頭部の原型はなくなり、胸部も潰れ、粉々になった骨が潰れた肉と混じり、内臓が流れ出て、何の液体なのか、そもそも固形物だったのか分からないドロリとした赤やら白やらピンクやら色んな色が混じったものが地面に広がった。
あまりの惨状に、作戦本部にいたマヤが吐き気を催し口を押さえた。
ほとんど原形を失った初号機からゴロリとコアが転がり出てきたのを見たゴジラは、不機嫌な鳴き声を漏らすと、一歩後ろに下がり背びれを光らせた。
***
彼女は、さっきまで自分の内にあった我が子の気配が消えたことに困惑した。
あんなに怯えていたのに守ってやらなくてはと思った。
……それにしても外がやけにうるさい気がする。
『……たく、な…い! し……く、な、い!』
幼い子供の声が聞こえた気がした。
視界が少しずつ開けていく。
外はどうなっているのだろう?
そう思って彼女が見たのは……。
黒い巨大な怪獣が青白い熱線を吐きだす寸前
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