第十七話 男の過ち
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人間の声のようだった。
悲鳴が聞こえた後、ATフィールドが消え、通路の先で誰かが慌てて走っていく音が聞こえた。
「どういうことでしょうか? まさか人間がATフィールドを?」
「そいつは後だ、今は中枢へ急ぐ。」
「了解っ。」
風間達は先を急いだ。
走る風間達の行く先を、戦闘服を纏った覆面達が遮った。
向けられる武器を目にして、ネルフ内部に異変が起こっていることをだいたい把握した風間達は、覆面集団との戦闘が勃発した。
能力の妨害がされているとはいえ、身体能力ではミュータント兵士の方が遥かに上だ。だが敵は戦いの経験があるらしく、実戦経験値の差がある。
膠着するかと思われた戦いは、風間は特攻に近い攻めでミュータント部隊の優勢になった。
覆面集団がたまらず道を開けるとその隙に彼らを無視して風間達は奥へと走って行った。
あくまでも目的は中枢にある作戦本部にいる音無の救出と総司令部の制圧だ。
背後から怒声と銃撃が来るが足の速さで普通の人間(鍛えていても)が叶うはずがなく、あっという間に風間達は覆面集団を振り切った。
「ちっ……。」
風間達が通り過ぎた通路の影から、肩を抑える上から下まで黒づくめの覆面の男が出てきて舌打ちをした。
「…、退化したリリンと黒トカゲが混ざったゲテモノの体液だって?」
服を破いて肩を露出すると、ジュクジュクと皮膚と肉が焼けただれていた。
「人類補完こそすべてを救済するただ一つの方法…、必ず実行されなければならない。そのために邪魔なのは…、排除しなければ…。」
そう呟きながら、男は覆面を掴んで一気に脱いだ。
薄暗い空間に銀色の毛髪が妙に輝いていた。
銀髪の男は、通信機を取り出し。
「碇ゲンドウは、これでお終いです。あの男は大切な妻の魂を宿した初号機をゴジラに破壊させる暴挙に出ました。あの男が望む補完計画はこれで潰えることでしょう。」
『そうか…。ご苦労だった。』
「すべては人類補完のために。」
男は、通信を切ると、音もなくその場から姿を消した。
***
「機龍フィアを下がらせるよう要求しろ。」
「しかし…。」
「いいからやるのだ。」
「は、はい…。」
青葉が仕方なく動いた。
「ダメよ! そんなことしたら初号機が! シンジ君が死んでしまうわ!」
音無が叫ぶ。
「それがどうした?」
冷たく言い放ったゲンドウに、音無は目を見開いた。
こんな男がシンジの父親なのかと怒りが込み上げ、拘束されていなければいますぐに飛び蹴りを入れたかった。
「無駄よ。あの男に何を言っても。」
ミサトに抑え込まれているリツコが音無に言
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