第十七話 男の過ち
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男、自分の妻を過信してんのか!? じゃなきゃ、こんなアホなことやるわけないよね!?」
サキエル襲来の時、本来なら初号機が暴走してサキエルを倒すシナリオだった。
それがうまくいかず、今度はゴジラに初号機を暴走させる引き金を引かせようとしているのである。
しかしサキエルもそうだが超越した生命体である使徒を一撃で葬る力を持つゴジラを初号機にぶつけて、そんな都合よくいくだろうか?
答えは否だろう。
暴走によって力を引き出しても今のゴジラ(※セカンドインパクト後、強化されています)を倒すのは…。
次の瞬間、ゴジラの背びれが光りだした。
「やめて!」
察したツムグが素早く操縦桿を操作し、下からゴジラの顎を掴んでゴジラの顔を上向かせた。
放射熱線が斜め上空に飛んでいった。
ゴジラの何かが切れた音が聞こえたような気がしたと思ったら、機龍フィアが投げられ、地面に頭から叩きつけられていた。
「う、ぐっ。」
頭がグワングワンとする。
すると再びゴジラに投げられ叩きつけられ、機体のどこかがへしゃげる音がした。
そしてまた投げられ叩きつけられる。それを何度も繰り返された。
いつも機龍フィアで投げていたから、仕返しだろうか?
ともかくゴジラが本気で機龍フィアを壊す気でいるのだけは、分かった。
皮肉にもそれが時間稼ぎになった。
***
彼女は、これが正しいと信じていた。
彼女には、それを成し遂げたいという願いと、それを成し遂げるだけの力があった。
しかし運命の悪戯と言うべきか、何かを成し遂げようとすればそれを妨害する何かしら力が働くものである。
誰が想像した? 誰がこんなことになると思った?
天才であった彼女ですら想像もしなかった災い、ゴジラによって彼女の描いた理想は修正できないほど壊れていた。
残念なことに彼女はそのことを知ることができなかった。
神のごとき存在へ昇華する前段階の状態で眠っていたために、外で起こっていることを知ることができなかったのだ。
眠っている状態であるが、彼女は感じた。
我が子が酷く怯えている。
自分がお腹を痛めて産んだ子の存在が今の自分の中にあるのは感じたが、その子が酷く怯えている理由が分からなかった。
確かにこんなこと……、人類補完のために我が子を駆りだすのは心が痛まないわけじゃないが、これは必要なことだと彼女は思っていた。
うまくいけば我が子が進化した最初の人類になるかもしれない。神話になるかもしれない。
これは決して悲劇などではないのだ。停滞した人類を進化させ、罪を清算するチャンスだ。
別れは辛いだろう。しかし一時の別れにすぎ
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