第十七話 男の過ち
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しかしだとするとなぜミサトにそんなことをしたのか分からない。
そこまで彼女が重要だったのだろうか?
確かにミサトは、セカンドインパクトの発生場所となった南極でたった一人の生存者である。
それゆえに存在自体が極秘と言ってよかった。
しかし彼女はただの人間のはずだ。それはゼーレの下にいる自分が入手した情報で知っている。
綾波レイのような人間と使徒の混合でもなく、あのゴジラの細胞を混ぜこぜして生まれたらしい突然変異の椎堂ツムグとも違う。本当にただの人間のはずだ。……多少タフ(?)ではあるが。
『うわああああああああああああ!』
作戦本部のモニターから少年の悲鳴が木霊した。
その声を聞いて加持は体が跳ねた。
「……君は誰かな?」
ジャキッと金属音が聞こえ、加持の頭に銃口が押し付けられた。
上から下まで黒づくめの覆面の口元が吊り上がり、銃声が鳴った。
***
「うっ! これ、マジ、やばいかも!」
クラクラする頭のツムグは、操縦桿を握る手を震わせてそう呟いた。
初号機に迫ろうとするゴジラにズルズルと少しずつ引きずられていた。
ゴジラは、直接、手で初号機を潰す気でいるらしく放射熱線を吐く気配がない。
「ゴジラさ、ん! お願い! 勘弁して! サードインパクトの引き金を潰すチャンスなのは分かってるからさ! 逃げて少年、早く〜!」
ゴジラは、なぜか知っている。
初号機がサードインパクト(人類補完計画)の要のひとつであることを。
『椎堂ツムグ、アレ(初号機)に子供が乗せられているのは間違いないんだな!?』
「間違いないって! 碇シンジと音無博士が誘拐されたってのはもう知ってるでしょ! これが目的だったんだよ!」
『まだ確証が得られたわけじゃないが、おまえが言うならそういうことなのだろうがすべて鵜呑みにするのもホントどうかと思うがな!』
『ネルフから声明文と映像が届きました! 映像解析の結果、人質は音無美雪博士で間違いないとのことです!』
「チィ! また椎堂ツムグの予言通りになったか…。』
ツムグの言う通りに事が進むのが気に入らない人間は少なくない。
『ネルフはなんと?』
『エヴァ初号機に手を出すな、手を出せば即座に女を殺すと。』
『この状況で我々に手を出すなだと? ゴジラにエヴァンゲリオンを生贄にするつもりか!?』
『機龍フィアの機能が低下している状態では、これ以上ゴジラを抑えるのは無理なのでは!?』
『椎堂ツムグめ! どこで何をしたんだ!』
ツムグの脳の調子が悪いため、機龍フィアの機能も低下していた。
なぜ調子が悪いのか、事情を知る者はごく一部である。
「あんの
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