第十六話 BARDIEL その1
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「あるわけがないでしょう! 武装の開発は完全凍結してるんだから!」
マイクを奪ったリツコが叫んだ。
『じゃあどうすんのよ!?』
「アスカ、今すぐ射出機のハッチから退却しなさい! 勝てないわ!」
「いいえ、アスカ戦闘続行よ!」
「ミサト!」
『もういいわ、このままやってやる!』
武器の調達ができないと判断したアスカは、もう一丁のプロッグレシブナイフと格闘技だけでバルディエルを仕留めようと構えた。
襲い掛かってきたバルディエルの肩を掴んで止めると、その下顎に蹴りを入れた。
後ろにのけ反ったバルディエルだが、すぐに体勢を戻し、口を大きく開こうとした。
その時、バルディエルの背中に爆撃が降り注いだ。
流れ弾で弐号機にも降り注ぎそうになったが、アスカは間一髪で後方に退いて避けた。
前のめりに倒れるバルディエル。
『! 地球防衛軍!』
上を見上げたアスカは、戦闘機のマークを見て地球防衛軍が駆けつけてきたことを知った。
『っ、余計なことをしないでよ!』
アスカは忌々しそうに舌打ちして言った。
爆撃による煙の中、バルディエルが顔を出し、口から白い粘液を吐きだした。
避けようとしたが、左腕に浴びてしまった。
その瞬間。粘液が弐号機の左腕に浸食した。
『キャアアアアア!』
「弐号機、左腕部浸食!」
「弐号機の左腕を切り離して!」
リツコの指示により、弐号機の左腕が根元から遠隔操作で切り離された。
『くうぅぅぅ!』
神経回路が接続したままなのでアスカは左腕を切断された痛みを味わった(※実際に左腕が切れたわけじゃない)。
膝をつく弐号機にバルディエルが襲い掛かろうとしたが、凄まじい例の雄叫びを聞いてピタッと止まった。
ゆっくりと右後ろに振り返るバルディエルは、ゴジラを見た。
バルディエルが振り返るのとほぼ同時にゴジラが放射熱線を吐いた。
バルディエルは、避けるために大きく跳躍し、放射熱線の射程距離には弐号機だけが残された。
「アスカ、逃げてぇ!」
ミサトが叫ぶが、弐号機はそれどころじゃない。
『これくらい!』
弐号機はATフィールドを張って放射熱線を防ごうとした。
が…。
『えっ! あっ…。』
っと言う間に貫通した放射熱線の光を前にアスカは、間抜けな声を漏らしてしまった。
弐号機に当たる直後、銀色と赤の巨体が弐号機を突き飛ばし放射熱線をくらった。
『アチチチチ!』
熱がる男の声が聞こえ、アスカは我に返った。
熱線がやむと、全身から湯気を出す銀と赤のゴジラによく似たロボットが弐号機を庇うように立っていた。
バルディエルは、もう弐号機に目もくれずゴジラに向かって行った
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