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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第十六話  BARDIEL その1
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ルディエルは、口の金具を引きちぎって吠えた。

「行くわよ!」

 エントリープラグ内のアスカは、初戦闘による緊張から若干引きつった笑みを浮かべ、弐号機を操ってプログレッシブナイフを構えた。





***






「なぜ、出動させたのですか!?」
 リツコがゲンドウに抗議した。
「地球防衛軍にエヴァの有用性を知らしめるためだ。」
 叫ぶリツコにゲンドウは、淡々と返した。
「まともな武装も無しにあの使徒に敵うはずがありません! 即刻弐号機を回収してください!」
「却下だ。」
「勝手な真似をしては地球防衛軍の怒りを買うだけです!」
「問題ない。」
「司令!」
 リツコがいくら言ってもゲンドウは、弐号機を止めようとはしない。
 唇を噛んだリツコは、踵を返し、司令室から出ていった。
「…ユイ……。」
 ゲンドウは、今は亡き妻の名を呟いた。

「準備が整いました。いつでもいけます。」
 そこに顔を覆面で隠し、上から下まで黒い衣装の男が入ってきてゲンドウにそう伝えた。
「そうか。」
「しかしあなたも悪い父親だ。実の息子を妻を呼び戻すために利用するなんて…。」
「それぐらいしか使い道がないからな。」
「本当に酷い人だ。」






***






「今すぐ弐号機を下がらせて!」
「何言ってんのよリツコ!」
「いいから下がらせなさい! 勝てるはずがないわ!」
「そんなのやってみなきゃ分かんないわよ!」
「弐号機、使徒と接触! 戦闘に入ります!」
「やめなさい、アスカ!」


 第三新東京の上で、弐号機と使徒バルディエルに乗っ取られた参号機の戦闘が始まった。

 一気に距離を詰めようと走り出した弐号機に、バルディエルが鞭のように片腕を振った。
 バルディエルによって変質した腕がしなやかに曲がり、弐号機に向かって伸びた。
 それを頭を下げて避けた弐号機は、少し減速しつつもバルディエルの懐に入り込んだ。
『でやあぁぁぁぁ!』
 アスカは絶叫し、弐号機の持つプロッグレシブナイフをバルディエルの腹部に突き刺した。
 ブジュリと粘液が垂れ、バルディエルは、もう片腕で弐号機を横に弾き飛ばした。
 弐号機はナイフを持たない方の腕で防御し、地面に受け身を取った。
 バルディエルは吠え、両腕を地面に突き刺した。
 すると弐号機がいる地面の下からバルディエルの両手が飛び出してきた。
 弐号機は地面を転がり、間一髪で避けるとバルディエルは両腕を地面から引き抜き、四つん這いで走り、弐号機に迫った。
『ちょっと、なにか武器はないの!?』
 アスカが本部に向かってそう言うと。
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