第十六話 BARDIEL その1
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使徒を迎撃する時もあまりの得体の知れなさから意見を求めなければならない時だってあった(レリエルの時)。
ツムグが知っていることを喋らないのは、波川のその心中を知っているからだろう。だが急を要することは伝えてくる。おかげで大惨事を防げるわけだ。
ツムグは、いつか自分が必要とされなくなることを望んでいる。
いつか自分が死ぬことを夢見ているのではないかと思われる。
だからああも悟ったような口ぶりをするし、何をされても受け入れるのだ。
ツムグがいない世界…。
波川はそれを想像するが、想像できなかった。
それほどツムグがいる日常が当たり前のようなっていたのだ。
「彼のいる日常が、いつの間にか普通になっていたのね…。」
波川は、そっと微笑んだ。
「轟天号と火龍の戦闘が始まりました!」
「ゴジラが熱線を吐きました! なっ…。」
ゴジラが防衛ラインの途中から遠距離で熱線を火龍・バルディエルに向けて放った。
しかしバルディエルのやや上の方に命中したかと思うと、熱線は緩やかな斜め方向に弾かれた。
「あれはATフィールド!? しかしゴジラの熱線はATフィールドでは防げなかったのでは!?」
「あの使徒のATフィールドがこれまでの使徒の中でトップクラスに強固だということか!?」
確かにバルディエルのATフィールドは固い。
しかしゴジラの熱線を完全に防げるほど固いのではない。
ATフィールドを一点に集中強化したうえで、ATフィールド斜めにし、船体も斜めにすることで熱線を受け流したのである。だから斜めといっても緩やかなものになったのである。
使徒なりの対ゴジラ対策であった。
ゴジラもそれには驚いたのか、鼻を鳴らした。
するとそこへ、若干ふらついているように見えなくもない機龍フィアが登場し、ゴジラと相対した。
***
火龍・バルディエルを前にした轟天号は、敵の出方を待った。
バルディエルが轟天号が来た途端に砲撃を止めたからだ。
まるでこちらを観察しているような…、そんな感じがする。
「粘菌型とはまた…、気味の悪い使徒ですね。」
「……風間! 来るぞ!」
「はっ!」
次の瞬間、バルディエルからミサイルが数発発射された。
それを間一髪で後ろにずれることで避けた。
ミサイルは、追尾式でないはずなのに、轟天号を狙って飛んできたので撃ち落とした。
撃ち落すと爆発とともに粘菌のようなネバネバが燃えるミサイルの残骸に張り付いていた。
「野郎…、轟天号まで乗っ取る気だな。」
「ま、まさか、そんな! それはマズイのでは!? このままではこちらまで。」
「接近し過ぎんじゃねぇぞ。
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