第十六話 BARDIEL その1
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と、火龍の周りにATフィールドが発生し防がれた。
火龍が撃ってくるミサイルに弾切れがないのかどんどん撃ってくる。これも使徒のなせる業なのだろうか。
ミュータント部隊が超能力を使いミサイルの弾道を曲げて防いだり、撃ち落とすなどでして基地への被害を抑えようとした。
「機龍フィアの出動はどうした!?」
「椎堂ツムグがヘロヘロで操縦ができんらしい! こんな時にあのバカは!」
「轟天号を出します。」
「し、しかしまだ修理が終わったばかりでは?」
「一刻を争います、急ぎなさい。」
「は、はい!」
『おい、いつまで待たせる気だ?』
通信が入り、ゴードンの声が響いた。
「準備は万端なようですね。」
『あったりめーだ。さっさと発信許可を出しな。』
「ゴードン大佐、許可もなく轟天号に乗り込んだのか!』
「轟天号出動。目標は、使徒に乗っ取られた火龍の殲滅。徹底的にやりなさい。」
「波川司令! 火龍を完全に破壊するのですか!?」
「それ以外に方法がありますか?」
「う…。」
波川にじろりと見られ、司令室の人間の一人が言葉を詰まらせた。
「科学部から使徒の名は、バルディエル、粘菌型の使徒だというデータが届きました!」
なお、使徒の名前とタイプの情報をもたらしたのは、機龍フィアのDNAコンピュータ・ふぃあである。
「微生物の次は、粘菌…。まったく同じタイプの使徒はいないのね。」
波川は、これまで現れた使徒がどれも被っていないことについて、息を吐いた。
「…気味の悪い存在だわ。」
怪獣のような生物らしさというか、そういうものが感じられず突然現れ、何を目的に行動しているのかも不明で、倒さなければ世界が終わるという曖昧な情報だけしかない謎の生命体。
「そして、なぜゴジラは、その使徒を敵と認識しているのか……。」
波川は、ゴジラがなぜ使徒を敵視しているのか、その理由を知らない。
ツムグが何か知っていそうなのだが、喋ろうとしない。
ツムグは、色んなことを知っているはずだ。だがあえて喋ろうとしない。
ツムグの力を最大限に使えば、すべての物事を自由にすることができるだろう。
だがそれは望まれぬことだ。そんなことではダメなのだ。
ゴジラは、人間が生み出してしまった。これは人間が立ち向かわなければならない問題だ。
すべてを見聞きできるツムグの力を使うことは人間が受けるべき試練を台無しにしてしまう。それは成長を妨げ未来を台無しにすることに繋がる。
機龍フィアのシンクロシステムを普通の人間でも操縦可能にしようとする試みもそのためだ。
本当ならツムグを乗せて戦わせたくはない。だが現状はツムグを戦わせなければゴジラの迎撃が難しいのだ。
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