第十六話 BARDIEL その1
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「あー、すっきりー!」
「買いましたね…。」
音無に付き合ってと言われたシンジは、外出届を出して音無とショッピングセンターに来ていた。
ストレスにまかせて色んなものを買った音無。シンジは、カートを押しながら顔を引きつらせていた。
何があったのかは知らないが、なんとなく尾崎絡みではないかとシンジは思っていた。当たっている…。
「じゃっ、そろそろ帰りましょうか。」
「は、はい…。」
音無の車に荷物を詰め、二人は帰路につくべく車に乗った。
その車を追いかける黒い車がいた。
「ごめんね、シンジ君…。」
「なにがですか?」
「買い物、付き合ってもらっちゃって、今日は本当にありがとう。」
「た、大したことはしてませんよ。音無さん、なんだか普通じゃなかったような気がして…。」
「……。」
「あっ、すみません、変なこと言っちゃいました。ごめんなさい。」
「尾崎君のことよ…。」
「えっ?」
「最近倒れてばっかりだからカッとなっちゃって。ああいう人だって分かってたはずなのに。」
「音無さん…。」
「シンジ君、レイちゃんのことどう思う?」
「はっ? へっ!? な、ななななな、なんですか!? 急に!?」
明らかに動揺するシンジに、音無は意地悪く笑った。
「仲良いな〜って思って? 違ったかしら?」
「ち、ちちちちちち違いますよ! 僕と綾波はそんなんじゃ…!」
「顔真っ赤かよ?」
「うわわわっ!」
「ごめんごめん。可愛いからつい。」
「かかかかか可愛いって…。」
「うふふ。…っ!?」
「うわっ、なんですか急に?」
急にブレーキを踏んだため、前のめりになりシートベルトが食い込んでシンジは顔を歪めた。
「…シンジ君。捕まってて。」
「えっ? う、うわああ!」
音無が警告するが早いか、音無はアクセルを踏んで横の路地を爆走し始めた。
「お、音無さん!?」
「舌噛むわよ!」
「ふひゃ!」
音無は、見事なハンドルさばきで道路が悪い路地を走っていく。
音無が操る車の後ろの黒い車が数台、追いかけて来た。
「くっ、しつこいわね。」
「あ、あの音無さん…。前!」
「! はっ!」
道を曲がったところで目の前にトラックが荷台の扉を開けており、急に止まれず車はトラックの中に突っ込むことになった。
トラックの中で止まると、窓ガラスが割られた。
「シンジ君!」
「音無さん!」
「動くな!」
音無は、シンジを庇い、音無の頭に銃が突きつけられた。
「…何の真似かしら?」
「言う通りにしてもらうぞ。」
覆面を被った男に脅されたが音無は動揺することなく男を睨みつけた。
「この子には乱暴しないでく
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