第十五話 体調管理は慎重に
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」
「違います。」
笑う熊坂に風間はムスッとしてそっぷを向いた。
素直じゃない風間はよくこういう反応をする。
「すまない、風間。」
「うるせぇ。とっとと寝とけ。」
そう言って風間は出ていった。
熊坂も出ていき、残った尾崎は再びベッドに横になった。
しっかり休めた尾崎は、後日復帰した。
なおツムグは、弱点と言える脳に負荷をかけてしまったのでフラフラしていた。それを聞いた尾崎が慌ててお見舞品を持って駆けつける小さい騒ぎがあったりした。
***
音無は、イライラしていた。
尾崎がまた倒れた。
心配する身にもなれといつも言っているのにこの様である。
原因が訓練と実験による脳の疲労だったと聞いたから完全に尾崎の責任とは言えないのだが、今日はどうにも収まりがつかなかった。
何回倒れた? もはや数えるのも億劫である。
自分が傷つくことより他人が傷つくのを嫌う性格なのは熟知していたつもりだ。
しかしこうも倒れてたらいい加減にしろと殴りたくなる。
いやもう殴ったのだが…、それでも改善されないわけで…。
「あああ、もう!」
まとめて結んでいた髪の毛をかきむしって音無はイライラを露わにした。
イライラしながら廊下を歩いていると、台車を押しながら歩いてくるシンジを見つけた。
「あ、音無さん。どうしたんですか?」
音無の様子がおかしいことにシンジは気付いた。
「…シンジ君!」
「えっ! は、はい、なんですか!?」
「ちょっと付き合って!」
「えっ? え、ええええ!?」
音無に近寄られて手を掴まれてそう言われ、シンジは混乱した。
***
ネルフがほとんど機能しなくなったとはいえ、メンテナンスは必要である。
そこでエヴァンゲリオン参号機を一旦外へ運び出すことになった。
使徒サキエル襲来以降、エヴァンゲリオンの全体像がほとんど明らかになっていなかったので、初めて本物を見る者が多い。
機龍フィアや、MOGERAとも全く違う完璧な人型で、独特の見た目ではあるが立派なオーバーテクノロジーである。
「使徒と戦うために制作された兵器とはよく言ったものだな。確かに自信を持つのも分からんでもない。」
「ま、全然使わないけどな。」
「そりゃ言えてる。」
なんて笑う者達もいた。
「あんた達!」
「よせ葛城!」
参号機の運び出しに立ち会うことになったミサトが、笑う者達に怒り殴りかからんとしたので加持がそれを止めた。
「離しなさいよ!」
「おや、誰かと思えば、元・作戦部長の女じゃないか。」
「作戦本部? そん
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