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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第十五話  体調管理は慎重に
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 本人は隠しているのだろうが右腕を庇うように動いているのである。
「レイちゃん。右腕どうしたの?」
「…なんでもないです。」
「嘘おっしゃい。さっきからずっと庇ってるでしょ。」
「…なんでもないです。」
「……今日は帰りなさい。時間給とはつけておくから。」
「…平気です。」
「いい加減にしなさい!」
「っ!」
 志水に右手首を掴まれ、レイは顔を一瞬歪めた。
「見せてみなさい!」
「やめ…っ」
 レイが止める間もなく袖をまくられた。
 右腕の半分以上が赤く腫れていた。
「これどうしたの? 火傷?」
「……。」
「悪いけど、今から医務室にこの子連れて行くからよろしくね。」
「あっ…。」
 志水はその場にいた者達にそう言い、レイを引っ張って食堂から出ていった。


 医務室に連れてこられたレイの顔色は悪い。
 なにかに怯えているようなそんな雰囲気がある。
 レイの腕を診察した医者は。
「熱湯でも浴びたのかい?」
「いいえ…。」
「それか劇薬を被ったとか。」
「いいえ…。」
「治り始めていて、この分なら跡も残らないでしょう。」
「それはよかったわ…。」
 傷跡が残らないと聞いて志水はホッとした。
 レイのような若い子に傷が残ったら大変だと心配していたのだ。
「一応薬を出しておくから患部に一日三回塗って様子を見てね。水仕事や重い物を持つ仕事は控えるように。」
「はい…。」
 レイは、少しホッとした様子だった。
 その様子を志水は少し怪訝に思った。



 医務室から戻る途中。二人はシンジと会った。
「医務室に行ったって聞いたけど大丈夫?」
「大丈夫。」
「しばらく水仕事と重い物を持つのは控えなきゃいけないから協力してあげて。」
「分かりました。」
「……。」
「どうしたんだ、綾波?」
「う、ううん。なんでもない。」
 レイが俯いて何か考え事をしていたのでシンジが声をかけるとレイはハッとして首を横に振った。

 っとその時。

 レイは、ギョッとして志水の後ろに隠れた。
「レイちゃん?」
「綾波?」
「っ…。」

 シンジのかなり後方に、レイにとって今一番会いたくない相手であった、椎堂ツムグが通り過ぎたのだった。
 ツムグは、目線だけレイ達の方を見て、そのまま連れの人と一緒に去っていった。
 ツムグがいなくなったことでレイは、ホッと息を吐き、包帯が巻かれた右腕を摩った。






***





 病室に来たツムグは、ベッドの上で意識がない尾崎を見て片眉を吊り上げた。
「こりゃまた…、面倒なことになって…。」
「なんと
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