第十五話 体調管理は慎重に
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せても無駄な事だからやめた方がいいのにっと常々ツムグは思っている。
ゴジラがいるから自分がいる。生きている理由はゴジラの存在があるからだ。それ以外にないと思っている。
細胞だけが必要なら死体で十分であろうし、自我意識がある方が邪魔であるはずだ。地球防衛軍の技術なら体の各部位の細胞をそれぞれ補完すれば事足りる。なのに椎堂ツムグとしてここにいるのは、ゴジラを倒すために他ならない。
機龍フィアの開発計画は、ツムグの細胞の研究の一環でもあり、放射能の吸収や超再生など持っている能力の割に使い道がほとんどないという利用性の低さを解決するという目的もあった。
なぜ使い勝手が悪いのかは謎であるが、一時はG細胞の平和利用に最適などと言われてもてはやされたこともあった。
現在は使徒に有効だと分かったのである意味で平和利用できることは分かった。
ところで、ふぃあからの好意は、同一の細胞から発生した自我意識だから親子、兄弟感覚から来るものじゃないかと推測している。雛が親を慕う感覚なのではないか。
「ふぃあちゃん。俺のこと好き?」
『スキ。』
「俺はゴジラさんが…。」
『ヤダ!』
「ん? 何がヤダなの?」
『ツムグは、ふぃあの! ゴジラのじゃないもん!』
「ゴジラさんのこと嫌い?」
『キラーイ!』
「そっか。俺にとってゴジラさんは、好きとか嫌いとか越えてるんだよ。ふぃあちゃんには分かんないでしょ?」
『ふぃあ、ワかんない。』
「分かんなくていいと思うよ。俺にもよく分からないから。」
『ツムグもワかんない? ふぃあと同じ〜。』
「たぶん違うだろうけど、同じってことにしようか。」
『同じ同じ!』
こんな感じで会話を続けていた。
その時。通信音が鳴ったのでスイッチをオンにした。
『椎堂ツムグ!』
「ん?」
『今すぐ出てこい! 緊急事態だ!』
「なになになに?」
『話はあとだ、さっさと出てこい!』
「ん、分かった。」
『ナニナニナニ?』
「ごめんね、ふぃあちゃん。お話はお終い。ちょっと行って来る。」
『いってらっしゃーい。』
ツムグは、機龍フィアの外へ出た。
自分を呼びに来た科学者に連れられ、歩きながら話をした。
「で? 何の用?」
「おまえ…、把握してないのか。珍しい…。」
「何もかも分かるわけじゃないから。」
「尾崎少尉が…。」
「尾崎ちゃんが?」
「目を覚まさないんだ。」
「…は?」
呼ばれた理由を聞いたツムグは、軽く目を見開いた。
***
M機関の食堂のおばちゃんこと、志水は、気になっていた。
レイの様子がおかしいのである。
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