第十四話 破壊神の退屈
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しろってことですか。ホント、アートな奴ばっかですね、使徒ってのは。」
「…嫌な予感しかしない。」
「なんか…飛んでませんか?」
「レーダーに反応はありません。」
「無人機だ! マスコミか民間団体の物か?」
カメラを搭載したステルスの無人機が飛行しているのを目撃し、場の空気が騒然となった。
マスコミが前の件で騒いでいたし、情報閲覧を求める民間団体の存在もかなり盛り上がっていた。
「どうしますか!?」
「いや、これはチャンスかもしれん。的にして使徒の動向を探らせよう。」
このままジッと使徒を見ているわけにはいかないと、前線司令官がそう指示を出した。
無人機が使徒に接近した時だった。
強風に煽られたのか、無人機の操縦が大きく揺らぎ、使徒に接触したのだ。
しかし。
「消えた!? 馬鹿な!」
数十メートルはあろうかという球体が突如消えたのである。
「第四、第五小隊の真上に出現!」
海の上から陸地に出現した。
そして。
「パターンブルー検出!」
「ああ!?」
「どうした!?」
『た、助け…、うわああぁぁ……』
「おい! おい! 返事をしろ!」
「第三、第四、第五部隊の反応消失!」
「第二部隊からの報告! 建造物が第三、第四、第五部隊と共に使徒の影に沈んだとのこと!」
「第二部隊半数も沈みました!」
「なにぃ! つまり奴の正体は…。」
「影です! 宙にいる球体はダミーです!」
「影からパターン青を確認!」
「そんな馬鹿な!」
はっきりと目に見える球体が騙しで、本体は影の方。
こんなの誰が想像した?
前線部隊の一部を失った衝撃と、敵の正体が発覚した衝撃は、怪獣との戦いを経験しているはずの地球防衛軍を震撼させた。
第三、第四、第五部隊を周囲の建物ごと影に取り込んだ使徒レリエルは、またジッとその場に漂い始めた。
自らは攻撃してこないし、干渉をしてこないのだと分かったところで撃破できるわけではない。
このあと行動パターンを調べるため、無人戦車を使った攻撃を行ったところ、攻撃が当たった瞬間に消え、攻撃を行って来た相手のほぼ真上に移動し、本体の影に取り込むという動作を行うことが分かった。
最初に使徒だという反応が検出できなかったのは、本体の影ではなく、全然違う上の方の球体の方を調べていたからだ。
レリエルの本体の厚さは、約3ナノメートルの極薄で、この薄さのどこに部隊三つと建物を入れる場所があるのかと唸ったが、科学部が出した解答は、ディラックの海という虚数空間が存在する可能性が高いということだった。
そして取り込まれてしまった部隊の生存は絶望的で諦めるしかないという答えであった。
「そ
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