第十四話 破壊神の退屈
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プに口を近づけようとして急にピタッと止まった。
「尾崎さん?」
「…シンジ君、このコーヒーは、そこのメーカーのだよね?」
「はい。」
「…あそこにいる人だれ?」
「えっ? あの人は僕が入るよりも前からいた人ですよ?」
「……。」
困惑するシンジとは反対に、尾崎の空気を察した仲間達の雰囲気が変わった。
尾崎は仲間の一人にカップを渡すと、食堂の中に向かった。
「? なんですか?」
「なんのつもりかは取調室でしようか。」
「は? 何のはな…し……、っ、っっ!?」
何の話だとその人物が言いかけた時、尾崎がその右肩を掴んだ。すると急に顔色が悪くなり、尾崎を振り払って背中を向けて裏口の方へ走ろうとした。
しかし横から飛び出た足に払われ、転倒。そのまま取り押さえられた。
仲間内でしか伝わらない合図で裏手に回っていた仲間が足払いをして取り押さえたのである。
「ばけ、ばけものめ!」
顔面蒼白、顔から出る者全部出した変装した不審人物は、錯乱した状態でそう叫んだ。
尾崎が肩に触った時、超能力を使って脳をかき回されたのである。サイコイリュージョンという幻覚を見せる技だが、カイザーの尾崎のはかなり強力で、恐らく尾崎が化け物に見えているのだろう。
尾崎を殺そうとした不審者を連行し、毒薬が入ったコーヒーカップを証拠品として渡したあと、尾崎は茫然としているシンジのもとへ戻ってきた。
「シンジ君?」
「あ…、お、尾崎さん…。」
声を掛けられて我に返ったシンジは、震えだした
いつの間にか殺し屋が見知った顔の人間に入れ替わっていたことと、何より毒薬を受けた渡す中継にされたことに。
「君のせいじゃないよ。」
「なんで尾崎さんが…。」
「それは…。」
「?」
なぜ尾崎が狙われたのか疑問をもつシンジに、尾崎は何か心当たりがあるのか言葉を詰まらせた。
「知らないのか?」
「宮宇地。」
「何がですか?」
「こいつが狙われるのは、こいつが特別制だからなのさ。」
「とくべつせい?」
「やめてくれ宮宇地。俺はそんな特別なんかじゃ…。」
「認めたがらない気持ちは分からんことはないがそのせいで周りが巻き込まれて平気か? 何も教えないことが幸せとは限らないぞ?」
「っ…。」
「自分で説明できないのなら、俺がしてやろうか?」
「いや、自分でするよ。」
「そうか。」
宮宇地は、そう言うと、手をヒラヒラさせてその場から去った。
尾崎は、このあとシンジに自分の身の上について説明した。
自分がミュータントの中でも特別だとされる存在で、カイザーと呼ばれる個体であること。
そのため幼少期に実験体として閉じ込められたり、出ることが許されてか
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