第十三話 嵐の前の静けさ?
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ペンギンを始めとした希少動物は研究所でしか拝めない。
そうなる前からであるがツムグが接近するとなぜか動物達はペンペンみたいに震えあがり、しまいに気絶するのである。
ネズミ100匹事件は結構最近やらかしたことである。ちなみにネズミは実験室の実験用マウスである。
「なんでかなー?」
半分は人間じゃないとは分かっているもののここまで嫌われる理由がいまいち分からんとツムグは腕組して首を傾げた。
「へぇ…、あのファーストがこんなところでうまくやってるなんてねぇ。」
建物の物陰から、彼らの様子を見ていた加持がいた。
「碇の息子さんもあーんなに表情豊かになって、資料とはまるで別人だな。これも…。」
「尾崎少尉のおかげってか?」
「おおわぁあ!!」
横に音もなく現れたツムグに加持は飛び上がり、足をもつれさせて倒れた。物陰から出る形で。
「おい、椎堂ツムグ、何やってって…、あんな見ない顔だな、部外者か?」
「あ…、いや、その俺は…。」
「この人迷子だよ。」
へたり込んでいる加持の後ろにトコトコと歩いてきたツムグが、ニコニコ笑う。心なしか、笑顔が怖い。
「そうそう! なにせ広いもんですから道に迷っちゃって! ハハハ!」
加持はツムグの言葉に便乗することにした。
「どうなってるんだ? 急に消えたと思ったら別のところに…。」
「テレポート…。」
急に消えて知らない男性が出てきたところから出てきたツムグに、シンジは、わけが分からないと目を見開き、レイは、驚きつつもツムグが何をやったのか理解した。
加持はなんとか誤魔化したが、背後にいるツムグに、背筋を指でなぞられ、耳元で。
「ちょっと俺とお話しない?」
っと囁かれ、背筋がゾワッとした。
あれだ。夜のお誘いをするような声色だ。幸い加持以外には聞こえていない。
「ま、また今度で…!」
「なーんだ、つまんない。」
「おい…、何を言ったんだ? あまり人を困らすんじゃない。」
「あ、宮宇地さん。」
宮宇地は、M機関のミュータント兵士で30歳。シンジとレイを何かと気にかけてくれている。
「だって、いい男じゃん。」
っとツムグがクネクネしながら加持にしなだれかかるようにしてうっとりと言うと、加持は脱兎のごとく逃げていった。
「ありゃ? ジョーダンなのに。」
「何を言ったんだ?」
「お話しない?って聞いただけだよ。なんか変な意味でとられたかな?」
「絶対そうだな…。あの逃げ方は尋常じゃないな。おまえのそういうネタはなぜか知らないが冗談に聞こえねぇんだよ…。」
「俺の演技力の賜物? うれしいねぇ。」
「キモいからやめろと言っているんだ!」
「あの宮宇地さん…
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