第十三話 嵐の前の静けさ?
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」
海外からの進出店のとびきり甘くて(歯が溶けそうなと言われる)高カロリーな品のドーナツを食べる。
「うふふ…。よかった。」
結構可愛いんだけど影が見える不気味な笑い方をするナツエに、ツムグは若干苦笑いを浮かべた。
人からの好意は嬉しいが、自分なんぞ好きになっても人生無駄にするだろうとツムグは思っているし日頃そう言っているのだが…。
ナツエがもし普通の人に好意をもったらたちの悪い方向に行っていたんじゃなかろうかというのを、精神感応で精神構造をうっかり読み取ってしまった時は、相手が人間じゃないツムグだったし、合法的にほぼ四六時中見ていられる環境だったのがよかったと思ったのは黙っておく。
あとツムグは年齢的に恋愛感情が枯れているのでナツエの想いには応えれずにいる。
さらに付け加えると、ナツエがツムグにたいして向けるモノは好意以外にもあり、それが問題だった。
「どこに行くんですかぁ?」
「波川ちゃんとこ。」
「お仕事の邪魔しちゃだめですよぉ。」
「分かってるよ。」
そう言ってツムグは、背中を向けた。
そして動こうとした直後、背中にドンッと衝撃が走った。
「……また?」
「……。」
ナツエに背中から刺されたのである。
恒例行事化していることである。ものすごい物騒であるが、ツムグだからできることである。
嫉妬深いのである。恋愛的な意味でも友愛的な意味でも。なので彼女に好んで近寄る人間はそうそういない。
「嫉妬してくれるのは嬉しいけど、スーツに穴が空くのと、血が出てるとあれこれ言われるから少し控えてって言ったし、言われなかった?」
「でもぉ…。」
「俺も女の人喋るのは控えるように努力するからさ。」
「それならいいですぅ。」
「ハハハ…。」
メスを抜かれてすぐに塞がった傷口を撫でて確認しながら、ツムグは苦笑いを浮かべた。
「っていうか、コレ何プレイ?」
***
「っということがあってさぁ。」
「急に押しかけてくるのもやめてほしいわね。」
「そう言わないでよ、波川ちゃん。」
あれからツムグは、波川のところに行っていた。
「休まないと倒れるよ? そろそろ限界なはずだけど。食べれる?」
「…ふふっ。あなたには嘘は付けないわね。」
ツムグから差し出された駄菓子を波川はひとつ摘まんで口にした。
駄菓子は、ツムグが基地内で販売されている昔懐かしの品を購入してきた物である。
「この味、久しぶりだわ。」
「今やってる仕事は、秘書さんに任せた方がいいよ。倒れた時の損のがでかいから。大事な仕事は和臣がやってくれてんでしょ? 急ぐ仕事じゃないから少しでも休憩しないと。」
「なんで
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