第十三話 嵐の前の静けさ?
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た。
「我々地球防衛軍の存在を理解せず権利ばかりを主張する馬鹿に油を注いだばかりか、その馬鹿に上辺だけ同調した集団行動が横行しつあるというのに、ここで馬鹿正直に敵にこちらの最強の駒を奪われたことを説明できるわけがない。」
「だから言って弾圧をしても良いわけではありません。」
「世界の命運がかかっているのだ。やむ終えないでは?」
「それこそ火に油を注ぐのではないですか? 和臣殿。」
「理想論ばかりで組織が守れるとでも? ロシアのことについてもまだ始末がついてない。」
「……。」
「……。」
波川と和臣の睨み合いが炸裂し、会議場にいる者達は、たらりと汗をかいた。
その空気を変えたのは、一つの連絡だった。
「な、波川司令。たった今…。」
「来たのね。」
「波川殿?」
「戦うための駒がなければ、増やすまでですわ。」
モニターの映像がまた変わった。
「! これは!?」
和臣も、会議場にいる人間達も驚いた。
「ようやく、連れて帰ることができたわ。」
***
機龍フィアの今後についての会議が行われて間もなく。
「結局、機龍フィアの運用一時凍結か…。傍から見たら事情なんて分からないし。」
ツムグは、壁に背を預けてそう呟いた。
「これを機に“アレ”を日本に持って帰ってきたし。使徒は、今のところ割と簡単に倒せてるけど、使徒側だって簡単に負けてられないだろうし、どうなるかな? イロウルはあのおじいちゃん達の想像を超えてたみたいだし…、次がどうなるかな?」
使徒サキエルに始まり、使徒イロウルまで倒れた。
残るは6体であるが、地球防衛軍側は何体の使徒が存在するのか知らされていない。
使徒がネルフの最深部に到達すると世界が終わるとされるサードインパクトが起こるという本当なのか否か首を捻りそうになる情報だけが伝わっている。
それが事実であるように使徒がネルフを目指すという不可解な習性が認められたものの、一部はネルフを目指すことよりもゴジラへの迎撃や地球防衛軍への攻撃を優先したものがいた。
使徒ラミエルがゴジラをひたすら狙撃したり、使徒ガキエルが第三新東京とは全く関係のない海に出現したり、衛星軌道に出現した使徒サハクィエルがロシアの基地を破壊したり、使徒イロウルが機龍フィアにとりついて機龍フィアをネルフの真上で自爆させようとしたりした。特にサハクィエルは、その後も他の国の基地を狙って攻撃を仕掛けた。途中でゴジラに狙いを変えなかったらそのまま地球防衛軍の基地を攻撃し続けていたであろう。
6体中、4体が“ネルフの最深部を目指す”と仮定された使徒の習性を無視して動いているのが分かる。
原形がほぼ残っていた
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